2月 01, 2017 18:02 Asia/Tokyo
  • シリア問題を巡る協議の延期の理由

スイスのジュネーブで行われる予定だったシリアのグループ間の協議の新ラウンドが延期されました。

シリア情勢は、昨年12月のアレッポの解放により、新たな段階に入りました。12月29日からシリアでは停戦が樹立されました。

シリア問題に関するカザフスタンのアスタナでの会議は1月23、24日の両日、アレッポ解放の結果として開催されました。アスタナの協議の前、2月8日にジュネーブ協議が開催される予定でしたが、シリアのロシア大使が、この会議の延期を発表しました。この協議の延期の理由は、国連のデミストゥラ・シリア特使の要請の中で表明されています。

デミストゥラ特使は、ジュネーブ協議の延期に向けた要請の理由は、国際社会が準備できていないことにあるとしました。とはいえ、デミストゥラ特使がこれを表明する前に、ジュネーブ協議の延期はすでに予想されていました。なぜなら、アレッポの解放後、シリア問題における地域や地域外の主な関係者の状況が変化し、アスタナの会議もまたこのことを示していたからです。アメリカ、EU、シリアの体制に反対するアラブ諸国は、シリア危機、さらにはシリア危機に関わる新たな政情において脇に追いやられました。このため、ロシア、イラン、そしてトルコがジュネーブ協議に参加するための用意と目的、計画を有している一方で、シリアの体制に反対する国々はこの協議に向けた計画や目的を持っていません。

これに関して数々の理由を挙げることができます。IRIB国際放送中東問題専門家のエマーディ氏は、「シリアの戦闘に参加している国々の形勢が不利になっている一方で、今もトランプ政権のシリア問題に関する戦略が明らかになっていない」と述べています。トランプ政権の政策が不透明であることから、アメリカの政策に追従しているヨーロッパ諸国は、トランプ大統領との会談によって、彼の対シリア政策が明らかになるまで時間稼ぎをしています。これらの国は2016年4月のジュネーブ協議同様、アサド大統領の退陣問題を主張することはできません。なぜならアサド大統領はシリア問題において、反体制派やテロリストよりも優位に立っているからです。

ジュネーブ協議の延期の理由について、この他、シリアの反体制派内の対立も挙げられます。これに関して、アスタナ会議のシリアの反体制派使節団の団長は、1月29日、アッシャルグオウサト紙のインタビューで、「反体制派は今もこれに関して決定を下していないが、それについて検討するだろう」と述べています。こうした表明は、シリアの反体制派もまた、シリアの戦闘で不利な立場にあることから、ジュネーブ協議への参加の準備ができていないことを示しています。

タグ