モスル西部の解放開始
イラクのアバディ首相の命令を受け、2月19日から、イラク北部モスル西部の解放作戦が開始されました。
イラク軍の総指揮官をつとめるアバディ首相は、作戦開始の命令を出すと共に、それをテロリストの占領からイラクを解放する最終段階だとしました。アバディ首相は、人々に対する人道的行為の遵守による難民のニーズの確保を優先にすえていると述べました。
「イラクはモスル解放作戦の進展段階に入った。我々の計画は、解放作戦の中で、人々が自宅を後にすることがないようにすることだ。テロリストは、治安部隊の前進を妨げるために、情勢を乱そうとしている」と述べました。
モスル解放作戦は2016年10月17日から開始されました。この作戦の第一段階で、モスル東部の解放が優先にすえられ、モスルの3分の2が今年1月24日にテロ組織ISISから完全に解放されました。
イラクのアバディ首相はこのように語っています。
「我々はテロ対策に向け、国際社会の支援を必要としている。世界はテロリズムの危険とテロ対策におけるイラクの役割を理解している。この国は資金的な危機を抱えながらもテロ対策を継続している。私は政治家やメディア関係者に、テロリストの目的達成を支援しないよう求める。トルコが緊張を生じさせている問題は内閣の会議で検討されている。こうしたトルコの政策は遺憾なものだ。我々はイラクの領土の占領を許さず、トルコの責任者にイラクで簡単にことは運ばないと通告した。そして、イラク人の名誉と尊厳を損なわないよう警告している。我々は人々が急速に地元に戻っていることを嬉しく思う。我々は平和共存を強調しているが、ISISのテロリストはその犯罪行為を理由に、処罰されるべきだ」
モスル西部の解放作戦は2月19日から開始されましたが、多くの人は西部の解放は東部のそれよりはるかに困難を極めると見ています。なぜならテロリストの多くが東部の解放作戦で、西部に逃げたからです。このためイラク合同軍はこの段階で、多くの数のテロリストと戦わなければならないということになります。
政治問題の専門家、セイエドハーディ・セイエドアフガヒー氏はこのように語っています。
「モスル西部のテロリストの数が多いことは、合同軍、とくにシーア派の民兵・ハシドシャアビーに対するメディアの宣伝や心理戦に向けたテーマに変わるだろう。これらのメディアはテロリストをモスルの市民と呼んでいる。このためイラク首相は、西部解放作戦開始の命令の中で、難民への注目を訴えた」
アバディ首相は、ミュンヘン安全保障会議でも、モスル解放作戦におけるハシドシャアビーの効果的な役割を賞賛し、この作戦における民間人の安全確保を強調しました。アバディ首相はモスル解放作戦を清らかな戦いの例だとしました。アバディ首相はこうした表明により、反対派のメディアの心理戦に対抗するために先手を取って措置を講じました。セイエドハーディ・セイエドアフガヒー氏は、さらに次のように語っています。
「モスル西部の軍事的地理もまた、その解放をさらに重要で、かつさらに難しくしている理由だ。西部に軍事基地や飛行場があることからそれはさらに重要な問題となっている。この軍事基地はISISのテロリストの占領下にある。イラク合同軍はこの拠点を解放することで、テロリストに防衛の姿勢をとらせることができる。とはいえ、モスル空港の奪還もこの作戦の目的の一つである。イラク軍によるこの飛行場のコントロールにより、イラクの戦闘機はここから飛び立つことができ、イラク軍はモスルの東部から西部へと楽に移動できるようになる」
モスル西部の解放は、ISISの一種の終焉となるでしょう。