シリア情勢に関するイランとロシアの協議
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イラン外務省のジャーベリーアンサーリー政治担当補佐官とロシアのラブレンティエフ特使
ロシアのラブレンティエフ・シリア問題担当大統領特使のテヘラン訪問と、シリアの最新の情勢に関するイラン政府高官との協議は、地域レベルでの、両国の戦略的な関係を物語っています。
イラン外務省のジャーベリーアンサーリー政治担当補佐官は、10日火曜、ラブレンティエフ特使とテヘランで会談し、「イランとロシアの関係は、最高のレベルで追求されている」と語りました。
こうした中、ロシア下院のウォロジン議長が率いる代表団が、8日日曜、テロとの戦いに関する協力など、さまざまな問題についてイランの政府高官と話し合うため、テヘラン入りしました。これ以前の今月4日にも、トルコのアンカラで、トルコ、ロシア、イランの大統領が、シリア問題に関する2度目の首脳会合を開催しました。
シリアに対して7年に渡って押し付けられてきた戦争は、アメリカとサウジアラビアの、テロ組織やISISへの武器や資金の支援によって行われ、アメリカ、シオニスト政権イスラエル、サウジアラビアそして一部の地域のグループの目的が、シリアの分割と、抵抗勢力の打倒であることを物語っています。しかし、この陰謀は失敗しました。この勝利には、明白なメッセージが含まれています。そのため、アメリカとシオニスト政権は、シリアの主権や領土保全を侵害し、シリア政府に非難を浴びせることで、テロとの戦いにおける戦場での敗北が続くのを阻止しようとしています。
ラブレンティエフ特使によれば、シリアの状況は日ごとに変化しており、このような状況の中で、肯定的な問題と共に、懸念すべき問題も存在します。最近では、シリア・ホムス州の軍用飛行場が、9日月曜朝、ミサイル攻撃を受けました。シオニスト政権のリーベルマン戦争大臣は、イェディオトアハロノトのインタビューで、このミサイル攻撃へのシオニスト政権の関与を認めました。
こうした中、テロリストに近い筋は、世論操作により、シリア政府軍の戦闘機が、7日土曜夜、東グータ地区のドゥーマを化学兵器で攻撃したと主張しました。この攻撃で、75人が死亡、数十人が負傷しました。
ジャーベリーアンサーリー補佐官は、シリアでの化学兵器使用という問題の提起は、一部の大国が、テロを道具として利用し続けるための世論操作だとしました。
イランのヴェラーヤティ最高指導者国際担当顧問は、「これは悪魔の計画であり、アメリカが、シリアの虐げられた人々に対して時折、用いるものだ。その最新のものが、ホムスの軍用飛行場に対する、シオニスト政権の空爆だった」と語っています。
シオニスト政権とアメリカは、イラン、シリア、ロシアの連合を強く懸念しています。なぜなら、この協力は、地域の分割という目的にとって、大きな障害になるからです。外務省国際研究所のカーゼムサッジャードプール所長は、次のように語っています。
「イランとロシアの関係は、今後の行方を決定するものであり、中東に新たな関係を構築し、一極主義を妨げることができている」
ヴェラーヤティ顧問によれば、イランとロシアの関係は、地域のバランスを維持し、安全を確立するうえで、戦略的な重要性を有しており、イラクとシリアを分割するためのアメリカの陰謀に対抗するものとなっています。