視点;ISIS指導者の5年ぶりの動画公開により、アメリカがイラク駐留継続を正当化
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テロ組織ISISの指導者バクダディ容疑者
地域のアナリストや専門家が、「死亡説がささやかれていたテロ組織ISISの指導者バクダディ容疑者が再度、公開動画に登場した結果の1つとして、アメリカがイラクでのテロの危険を誇張し、イラク及び地域での米軍の駐留継続を正当化する口実ができてしまったことが挙げられる」との見方を示しました。
バグダディ容疑者は、2014年以来初めてとなる先月29日、動画上に姿を現しました。
ISIS系列の機関により、3人の側近者らを前にバグダディ容疑者が発言した動画が公開されたことを受け、同容疑者の発言内容の分析・解釈は報道各社の注目を集めています。
イラクの治安問題に関する高名なアナリストの1人は、「ISISの指導者が再度姿を現したことは、危険な出来事であり、イラクは急速に、それにより予想される出来事に対処する必要がある」と語りました。
また、イラク議会の国家安全保障防衛委員会のメンバーの1人は、この問題について、「アメリカはおそらく、あらゆる手段を講じて米軍のイラク撤退法案の可決を阻止し、イラク駐留を正当化しようとするだろう」と述べています。
また、「アメリカは、地域でテロを引き起こし、これを資金面などから後方支援している」としました。
一方で、アメリカの新聞ニューヨークタイムズは、ニューヨークのシンクタンク、ソウファンセンター(the Soufan Center)の研究員の話しとして、「かなり高い確率で、バグダディ容疑者の突然の再出現は、テロ組織やその残存勢力を支持するための工作だと思われる。バグダディ容疑者はテロ作戦実施を目的とした、小規模の過激派グループの挑発を求めている」と報じています。
アメリカは2003年から、大量破壊兵器の存在という空虚な口実によりイラクを占領したものの、2011年には度重なる敗北や失敗を理由にイラク撤退を余儀なくされていました。
しかし、2014年にはISISとの戦いを口実に、アメリカ軍は再びイラク領に戻ってきています。
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