アラブ連合軍によるイエメン経済への被害総額は1600億ドル
イエメン救国政府のハジャル計画・統計担当財務次官が、「サウジアラビア及びUAEアラブ首長国連邦が主導するアラブ連合軍は、わが国に対する戦争で、GDP上の計算だけでもわが国の経済に1600億ドルもの損害を与えた」と語りました。
イエメンのアルマシーラ・テレビによりますと、ハジャル財務次官は7日火曜、「封鎖と戦争の影響で、わが国のGDPは2014年当時に比べて46%も落ち込んでいる」と述べています。
また、「GDPの落ち込みによる損害が積み重なった結果、その総額は1600億ドルにまで達した。複数の国際的な報告からは、わが国の国有資本のうち、およそ1200億ドルが国外に流出したことが分かっている」としました。
さらに、「傭兵らによるイエメン資産の恒常的な略奪や、無償支援およびそのほかの支援が停止したことにより、わが国の損害は増大している。また封鎖の継続が主な原因となってわが国の発展が阻害され、新たな損害を生む原因を作っている」と語っています。
イエメンのシーア派組織フーシ派の関係者も、「わが国の国家経済に対する間接的な被害は、直接的な被害よりはるかに大きく、国家の発展にとって非常に大きな問題を生み出している」と述べました。
サウジアラビアは、アメリカ、UAE、その他の一部の国の支援を受けて、2015年3月からイエメンへ軍事侵攻を行い、同国の全面封鎖を始めました。
サウジとその同盟国が起こした戦争により、イエメンではこれまでに数十万人の国民が死傷しているほか、400万人が難民となっています。
国連の発表によれば、イエメンは世界最悪の人道的危機に陥っており、同国では現在、2900万人の同国人口のうち80%にあたる人々が、生活を続けるのに支援を必要としているということです。
これまでに、イエメン戦争の終結に向けた働きかけが何度もなされていますが、そのたびにサウジとその同盟国の妨害行為により、これらは頓挫しています。
サウジの軍事侵略によりイエメンのインフラの85%以上が破壊されたほか、同国は深刻な食糧と医薬品の不足に遭遇しています。