催涙ガス;米警察が、黒人青年殺害への抗議者らに催涙ガスで対応
アメリカの警察が、黒人青年ジェイランド・ウォーカーさん(25)殺害事件に抗議する人々のデモ隊への報復として、抗議する人々と衝突し、彼らを解散させようと催涙ガスで対処しました。
アメリカでは、特に2020年5月25日にミネソタ州ミネアポリスで発生した白人警官デレック・チョービン氏による黒人市民ジョージ・フロイドさん殺害事件の後、黒人に対する警察の過剰な暴力行使の問題により、大規模な市民の抗議の波が発生し、世界中に波及しました。
こうした大規模な全米規模の抗議行動は、「ブラック・ライヴズ・マター(黒人の命は大事だ)」運動として台頭してきています。
アメリカの警察は、同国で最近25歳の黒人青年ウォーカーさんを追跡し、数十発の銃弾を浴びせた動画を公開しました。
アメリカの警察同局が公開した、警察のボディカメラの撮影による度映像は、1人の黒人青年が米オハイオ州アクロン市で先月27日に交通違反により同市警察に追跡され、警察官らにより銃撃されている様子を示しています。
ウォーカー氏の遺族側の弁護士ボビー・ディチェロ氏は、警察が少なくともウォーカー氏に対し60発の銃弾を発射したと推測していました。
アメリカの報道各社は、ウォーカーさん殺害事件の現場を撮影した動画の公表を受け、抗議行動の高まりとその暴動への発展という州当局者の懸念を明らかにしています。
イルナー通信によりますと、アクロン市当局は市民に対し、暴力なしの平和的な抗議行動の続行を求めました。
しかし警察側は、抗議行動への参加者らへの対処において、彼らと衝突し、抗議者を解散させるために催涙ガスの使用に訴えています。
今月3日にも、アクロン市内では数百人もの抗議者らが街頭に繰り出して抗議行進を実施しましたが、地元の指導者らは彼らに対し、暴力を慎むよう求めました。
しかし、現地時間の同日夜10時ごろ、市内各地でゴミ箱に放火するなどの暴力行為の発生が報告されています。
複数の地元メディアは、機動隊が抗議者を解散させるために催涙ガスや音響手榴弾を使ったと報告しており、こうした抗議行動はなおも続いていると予想されています。