プーチン氏「核戦争に勝者なし」、NPT再検討会議へのメッセージで
-
プーチン・ロシア大統領
プーチン・ロシア大統領が、米ニューヨークで開催中のNPT核兵器不拡散条約再検討会議に向けた書簡で、「核戦争に勝者なし」と表明しました。
去る2月24日にロシア・ウクライナ戦争が開戦したことに伴い、西側諸国は大規模な心理戦とプロパガンダ戦を開始したとともに、「ロシアは、戦争が膠着状態に陥るか、NATO北大西洋条約機構がウクライナ戦争に介入した場合は核兵器を使用するだろう」と主張しています。.
ロイター通信が1日月曜、英ロンドンから報じたところによりますと、プーチン大統領は1日、NPT再検討会議向けの書簡で、核戦争に勝者はおらず、そのような戦争を決して起こすべきではないとし、国際社会のために「平等で不可分な安全保障」を支持すると述べています。
核兵器を大量に保有するロシアのウクライナでの特殊軍事作戦で、核戦争を懸念する声が国際的に高まっている中、プーチン氏は「ロシアはNPT締約国として、一貫して条約を順守している」と強調するとともに、核軍縮に関する米国との2国間協定に基づく義務も「完全に履行している」と主張しました。
しかし、プーチン氏はこれに先立ち、ロシア・サンクトペテルブルク国際経済サミットでは、「ロシアはいずれの国に対しても核兵器で威嚇しておらず、自らの国家主権をまもるためにのみ核兵器を使用するだろう」と述べています。
ウクライナでの戦争が5カ月超に及ぶ中でのプーチン大統領の今回の発言は、国際社会に安心感を与え、ロシアが責任ある核保有国であることを印象付けることが狙いとみられています。
なお、米ロは昨年、戦略核弾頭の配備数などを制限する新戦略兵器削減条約(新START)を2026年まで延長しています。
1日月曜、米ニューヨークにてNPT核兵器不拡散条約の第10回再検討会議が、度重なる延期を経てついに開幕しました。
NPT再検討会議が開催されている一方で、これまでに世界における戦争で原爆を使用したのは米国だけです。
1945年8月6日、米国は広島に世界初の原子爆弾を投下し、これにより14万人が死亡しました。
そしてそのわずか3日後、アメリカは長崎市に 2 番目の原爆を投下し、これによりさらに7万人が死亡しています。