国連事務総長が、世界中の核兵器廃絶を要請
アントニオ・グテーレス国連事務総長が、世界中から核兵器を廃絶するよう求めました。
イルナー通信によりますと、グテーレス事務総長は米ニューヨーク現地時間の29日月曜、「核実験に反対する国際デー」に制定された同日にちなんだメッセージを発し、「私たちの世界は、あまりにも長きにわたって、この死の装置の人質にされてきた」と強調するとともに、核兵器実験の終止および、CTBT包括的核実験禁止条約の全面的な発効を求めました。
グテーレス氏は、第10回NPT核兵器不拡散条約再検討会議が最終文書の採択なしに閉幕したことに遺憾の意を示すとともに、「緊迫した国際情勢と、偶発的または誤算による核兵器使用のリスクの増大により、緊急かつ断固たる行動が急務となってきている」と述べています。
さらに、世界のすべての国に対し、緊張や核の危険、核の脅威の一括廃絶に向けて協議や対話、外交努力を呼びかけるとともに、「核兵器のない世界の実現は、これまでどおり国連の最大の優先事項となっている」と語りました。
第10回NPT再検討会議は、ニューヨークの国連本部にて約1ヶ月間にわたり実施されましたが、現地時間の今月26日、最終文書の採択のないままに閉幕しています。
この国際会議は今月1日、新型コロナウイルスの世界的大流行により本来の予定より2年半遅れて、ニューヨーク国連事務局にて188カ国の代表者の参加のもとに開始されていました。
NPT再検討会議は、1970年以来5年ごとに1回の割合で開催されており、10回目となった今回は、核軍縮、核不拡散、原子力の平和利用の3つを主要なテーマとし、核兵器保有国と非核保有国の双方が積極的に参加しました。
これに先立っては、タフテラヴァーンチー・イラン国連大使も、西アジア地域では唯一シオニスト政権イスラエルのみが数百発の核弾頭を保有しているにもかかわらず、一部の国がそのようなイスラエルを支持していること、そして、西アジアで核兵器が廃絶される必要性を指摘し、そのうえで、過去の国際会議での採択内容に基づいて今回のNPT再検討会議の参加各国がイスラエルに対し、断固とした立場を示すべきであると強調しています。