仏軍がセネガルから撤退;アフリカはもはや植民地主義者に従わず
https://parstoday.ir/ja/news/world-i128472
フランス軍が、西アフリカ・セネガルからの撤退を余儀なくされました。
(last modified 2025-07-19T10:44:07+00:00 )
7月 19, 2025 15:36 Asia/Tokyo
  • 仏軍がセネガルから撤退;アフリカはもはや植民地主義者に従わず
    仏軍がセネガルから撤退;アフリカはもはや植民地主義者に従わず

フランス軍が、西アフリカ・セネガルからの撤退を余儀なくされました。

フランスは、去る3月から自国軍事基地のセネガルへの移譲を開始しています。今回の撤退により、65年間にわたるフランス軍のセネガル駐留に終止符が打たれます。フランス軍はアフリカ大陸各地での同様の撤退に続き、アフリカ西・中部にある常駐基地を失うことになります。

【ParsToday国際】イルナー通信によりますと、フランスは今月17日、セネガルにおける最後の軍事基地を正式に同国に引き渡し、長年にわたるセネガル軍事駐留に終止符を打ちました。これをもって、セネガル軍との共同作戦を主な任務としていた約350人のフランス兵が、3ヶ月にわたる撤退手続きを経て、この西アフリカの国から撤退する運びとなります。

これに先立ち、マリ、ニジェール、ブルキナファソなどの西アフリカ諸国がフランス軍を撤収させ、自国内のフランス軍基地を閉鎖しました。

アフリカ諸国の政府は、フランス軍撤収により完全な独立に基づく政治的主権の新しい時代の幕を開けようとしています。

しかし、なぜアフリカ諸国はこの大陸からのフランス軍撤退を望んでいるのでしょうか?特に近年におけるアフリカ諸国からのフランス軍の撤退は国内、地域、そして国際レベルにおける一連の政治、経済、そして社会的要因の結果と見なすことができます。

一部のアフリカ諸国、特にサヘル地域(サハラ砂漠南縁部に広がる半乾燥地域)及びアフリカ西部では、フランス軍の駐留は各国内で強い反対に直面しています。これらの諸国では多くの人々や国内の政治団体の間で、フランス軍の駐留は自国の治安状況の改善に寄与していないだけでなく、多くの場合、危機を悪化させ、暴力やテロリズムを蔓延させていると考えられています。その例として、マリでは、国民はフランス軍の過ち、そしてテロリストではなく民間人が殺害される光景を何度も目の当たりにしてきました。

特にフランス軍基地付近で集団墓地が発見されたことを受けて、アフリカ諸国の市民らは、フランスがこの地域における安全保障、真の安定、あるいはアフリカ諸国の発展支援よりも、自国の利益を重視していることをこれまで以上に察知しだしています。そのため、彼らはフランスに対し、自らの国土からの撤退を公式に要求しています。

一方、アフリカ市民の歴史的な記憶にはフランスやその他の搾取的国家による犯罪や略奪が鮮明に刻まれていることから、この大陸の新しい世代はフランスに追従・同調する意志がありません。

一方で、近年では多くのアフリカ諸国はその社会、政治、文化面での進歩・成長に伴い、国際舞台でより積極的な存在感を示し、世界の他の国々、特にロシア、中国、イランなどの新興大国との関係拡大に努めています。

過去10年間にわたり、多くのアフリカ諸国で新たな政治運動や政党が台頭し、また新政権が誕生したほか、多くの国で民主的な選挙が実施され、加えて多くの国が選挙実施の準備を進めています。

こうした政治的変化により、アフリカ諸国にとっては自国の政治的独立と他国との新たな政治関係の構築が最優先事項となり、この大陸の市民らはもはやフランスの意志と政策に唯々諾々とは追従しなくなりました。こうした状況により特に近年、フランスは対アフリカ政策の見直しを迫られ、この大陸からの撤退もやむなしという結論に至っています。

 

 


ラジオ日本語のソーシャルメディアもご覧ください。

Instagram     Twitter