米NY市長が非常事態宣言、米南部からの移民移送巡り
米ニューヨーク市のアダムズ市長は、ここ数カ月間で米南部国境から市内にバスで移送された数千人の移民を巡り非常事態を宣言した。
ロイター通信によりますと、 米ニューヨーク市のアダムズ市長(民主党)は7日金曜、ここ数カ月間で米南部国境から市内にバスで移送された数千人の移民を巡り非常事態を宣言しました。
また、流入する移民を管理するために10億ドルを投じると表明しています。
さらに、「去る4月以降で1万7000人以上の移民が市内に移送され、市のホームレス保護施設に負担がかかっている」と述べました。
そして、テキサス州のアボット知事(共和党)がバスを使って3000人以上の移民をニューヨークへ移送していることについて、アボット知事が移民を移送する際に市当局に警告しなかったと非難しています。
米首都ワシントンDCのバウザー市長(民主党)は去る9月、メキシコ国境のテキサス州とアリゾナ州の共和党知事がバスで移民を送り込んでいるとして、公衆非常事態を宣言しました。
一方でアボット知事は、移民流入の責任はバイデン米現大統領を含む民主党にあると主張しています。
なお、CNNによりますと、米国土安全保障省の去る9月の発表では、米・メキシコの国境地帯で死亡した移民の数が昨年10月以降で748人に達し、過去最悪を記録した前会計年度(2020年10月~21年9月)を約200人上回る557人を超えたことが判明しました。
しかも、州や地元の当局がCBP税関・国境警備局に知らせずに遺体を回収している可能性もあり、実際の死者数はさらに多いとみられています。
移民の死因の多くは高温にさらされたことだったとされ、移民の支援団体は、トランプ前政権が新型コロナ対策の一環で国境で移民を追い返したような政策が原因で、移民がより危険なルートを選ばざるを得ない状況にあると指摘しています。
中南米諸国の情勢が悪化し、米国境地帯に来る移民の数は増え続けています。