トランプ氏が2024年大統領選に出馬表明も前途多難
ドナルド・トランプ米前大統領が、2024年大統領選挙への出馬を表明しました。
ロイター通信によりますと、トランプ前米大統領は15日火曜、フロリダ州の邸宅マール・ア・ラーゴで数百人の支持者らを前に演説し、「米国を再び偉大にするため、私は今夜、大統領選への立候補を表明する」と述べ2024年大統領選に出馬すると表明しています。
また、アメリカの選挙制度を批判するとともに従来の移民批判を繰り広げ「われわれは毒されている」と語り、大都市で犯罪が急増し「血の処理場」になっていると訴えました。
トランプ氏のこの行動には、通常より早い立候補の表明で共和党の他の有力候補の出馬機運をそぎ、候補者指名争いを有利に運ぼうという狙いがあります。
また、トランプ氏の側近はこの日、同氏の24年大統領選出馬に向けた書類をFEC連邦選挙委員会に提出しました。
トランプ氏は今月8日の中間選挙の選挙戦で自身と同じ「選挙否定派」の応援活動を精力的に行いました。
しかし、激戦州の多くでトランプ派の候補が敗北しており、党内の一部有力者は実力のない候補を推したとしてトランプ氏を批判しています。
先の中間選挙でも共和党は苦戦し、さらにトランプ氏に追い討ちをかけるように、トランプ氏への風当たりが強まっています。
特に外交面で、トランプ氏は自身の在任中に貿易上の追加関税で中国との軋轢を引き起こしており、ほかのアジア諸国でも中国になびく傾向が見られ、「トランプ離れ」が進んでいます。
しかも、この現象は娘のイバンカ氏をはじめとする身内にも広がっており、2期目を目指すトランプ氏の行く手には暗雲が立ち込めているといえそうです。
なお、米歴代大統領では唯一、グロバー・クリーブランド元大統領が連続でない2期目を1897年まで務めた歴があります。