プーチン露大統領、「戦争を始めたのは西側」
ロシアのプーチン大統領が21日火曜、連邦議会で行った年次教書演説において、「戦争を始めたのは彼らだ。我々はその戦争を止めようと軍事力を使っている」と述べました。
ロシアのスプートニク通信によりますと、プーチン大統領は今年の年次教書演説において、ウクライナ・ドンバスの問題を平和的な手段で解決するために粘り強く交渉してきたものの、背後で別のシナリオが準備されていたと指摘し、「戦争を始めたのは彼らだ。我々はその戦争を止めようと軍事力を使っている」と述べました。
続けて、西側からロシア国境付近での軍部隊の配備具体的などの行動があったことに触れ、「攻撃はNATO側から仕掛けられた」と明言しました。
また、西側は自分たちがここ数十年で行ってきたことを人々から忘れさせるために行動を起こしたとして、「西側が世界を混沌におとしめた」と非難しました。
その上で、西側諸国にとっては、敵を相手に戦うことが一番の目的であり、どの国に対してかはどうでもよいと指摘しました。
さらに、西側がロシアの敗北という目標と、地域紛争を世界的な対立の段階に移行させるという意向を隠していないとし、「ウクライナに供与される兵器が長距離になればなるほど、我々はその脅威をロシア国境からより遠くに押しやる必要に迫られる」と説明しました。
一方、ウクライナ国民が現在、キエフ政権の人質になっているとして、「今のウクライナ政権が奉仕している対象は国益ではない。第3国らの利益だ」とし、この土地に平和が戻るためにすべてのことを行うと述べました。
プーチン大統領は自国の対外貿易についても、その決済におけるルーブルおよび友好国の通貨の割合が半分以上になっていることに触れ、世界的なドル離れは避けられず、西側は「自分たちの手」でそこへ導いていると指摘しました。
また、新戦略兵器削減条約(新START)の履行停止を表明したものの、脱退はしないことを強調し、「米国はこの条約から脱退した。全ては過去のものとなったのだ。我々(=露米)の関係は悪化しており、これは全て米国が原因だ」としました。
そして、米国が本当に核兵器の発射実験を行う可能性を検討中だという情報をロシアはつかんでいるとしました。
政治、軍事、経済、社会、文化とあらゆる側面に影響を及ぼしているウクライナ戦争は、開始から1年を迎えようとしていますが、西側諸国は依然としてウクライナへ武器を送り続けています。
米国を中心とした西側諸国は、ロシアに対する制裁圧力を強めながら、ウクライナへあらゆる武器を供給することで、ウクライナ戦争終結を目指ざすどころか、その戦火をますます煽ろうとしています。
ロシア当局者および西側の専門家やメディアの一部は、ウクライナ戦争が西側とロシアの代理戦争であると指摘しています。
ロシアは以前から、西側の武器をウクライナに送ることはこの戦争を長引かせるだけであり、予測できない結果をもたらす可能性があると、繰り返し表明しています。