「AIのゴッドファーザー」、米グーグルを去る、 「危険性」に警鐘
(last modified Tue, 02 May 2023 10:53:33 GMT )
May 02, 2023 19:53 Asia/Tokyo
  • 「AIのゴッドファーザー」、米グーグルを去る、 「危険性」に警鐘
    「AIのゴッドファーザー」、米グーグルを去る、 「危険性」に警鐘

人工知能・AI研究の第一人者とされるカナダ・トロント大学のジェフリー・ヒントン名誉教授が、米グーグルでの職を退いたことが明らかになりました。

フランス通信が米メディアの1日月曜の報道として伝えたところによりますと、ヒントン氏はこれについて、自らが技術の基盤を築いたAIの危険性について自由に発言するためと説明しています。

1日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、「AIのゴッドファーザー」と呼ばれるヒントン氏のインタビューを掲載しており、ヒントン氏は先月グーグルに辞意を伝えていたと報じています。

同氏はインタビューの中で、AI分野の進歩は「社会と人類に深刻なリスク」をもたらすと警告したほか、「5年前と今を比べてほしい。これだけの違いがこのまま進めば、恐ろしいことになる」と語っています。

また大手IT企業間の競争が、各社を危険なほど急速なAI開発に走らせていると指摘し、AIによる雇用奪取や偽情報の拡散に警鐘を鳴らすとともに、「悪質な人物による悪用を防ぐ方法はなかなか見当たらない」と懸念を表明しました。

さらに、AIは人間の労働を補完するために用いられてきたものの、「チャットGPT」のようなチャットボット(自動会話プログラム)の急速な発展・普及により、雇用が危険にさらされる可能性があるとし、AIは「雑務をなくす」が、「それ以上の仕事も奪うかもしれない」と述べました。

加えて、文章や画像を作る生成AIの危険性についても警告し、偽の文章や画像がインターネット上にあふれ、一般の人々は「何が真実なのか分からなくなる」と憂慮しています。

今年3月にはチャットGPTをさらに強化した「GPT-4」がリリースされたことを受け、専門家ら1000人以上がAI開発の一時停止を求める公開書簡を発表しました。

署名には米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)や、米アップル(Apple)の共同創業者スティーブ・ウォズニアック氏も名を連ねています。

当時まだグーグルに在籍していたヒントン氏はこの署名には加わらなかった一方で、ニューヨークタイムズ紙のインタビューでは、科学者は「制御可能だと判断できるまで、手を広げるべきではない」と語っています。

 


ラジオ日本語のソーシャルメディアもご覧ください。

Instagram     Twitter     urmediem