ロシア外務省が日本大使を呼び出し、ウクライナへの自衛隊車両の供与受け
ロシア外務省は同国モスクワ駐在の日本大使を呼び出し、ウクライナへの自衛隊車両の供与について警告しました。
ロシア・スプートニク通信によりますと、ロシア外務省は9日金曜、上月豊久・駐ロシア日本大使を召喚し、「日本によるウクライナへの自衛隊車両の供与は日露関係に深刻な影響を与えるものだ」として警告しました。
同省の発表によりますと、ロシア外務省のルデンコ外務次官は同日、上月大使に対し、日本政府がウクライナに自衛隊の装甲車両や全地形対応車両などの軍事装備の供与を決定したことに抗議したということです。
ルデンコ次官はまた、「日本政府のこの決定は露日関係を危険な袋小路へ深く追いやる。このような行動は重大な結果なしには済まされない」と警告しました。またロシア外務省は声明において、「こうした措置は戦闘のエスカレートにつながり、ウクライナ政権による更なる人的犠牲の増大を招くと日本側に伝えられた。
また、岸田文雄政権は供与された軍事装備を使ったウクライナのテロリストらによる、国境を接するロシアの各州を含む地域の民間人の死に対する責任を共有しなくてはならない」と表明しています。
一方で、在露日本大使館によりますと、上月氏はルデンコ氏に対し「今回の事態は全てロシアによるウクライナ侵略に起因している。日本側に責任を転嫁しようとする露側の主張は極めて不当で、断じて受け入れられない」と反論したということです。
なお、日本の岸田首相は去る5月のG7広島サミットで、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談した際、100台規模のトラックなどの自衛隊車両を供与すると伝達していました。
昨年2月にウクライナ戦争が始まって以降、西側諸国による対ウクライナに武器供与は戦争激化および、世界規模での物価高やエネルギー価格の高騰という皮肉な結果を招いています。