ロシア、「米がISISに化学兵器供与」
SVRロシア対外情報庁のセルゲイ・ナルイシキン長官が、「アメリカは、アラブ諸国とシリアの関係改善を妨害する目的で、シリア国内で化学兵器による攻撃を行わせシリア政府を非難しようと目論んでいる」と語りました。
ロシア・スプートニク通信によりますと、ナルイシキン長官は3日火曜、声明の中で「バイデン米大統領のチームは、シリアとそのほかのアラブ諸国との関係性正常化を妨害・かく乱し、シリアに汚名を着せようと、あらゆる行動に出ている。さらにそのような目的のもと、化学物質の使用を含めた一連の挑発行為も計画している」と述べています。
この声明ではまた、「CENTCOM米中央軍司令部のマロイ副長は、シリア首都ダマスカスや同国南部においてテロ組織ISISを監督している。アメリカはさらに、ISISのテロリストらに化学物質を含む弾頭の搭載されたミサイルも供与してきた」としました。
アメリカは、化学物質使用を持ち出してシリア軍に非難の矛先を向けようと画策していますが、その一方でアラブ諸国はこの数か月前より、アメリカの思惑に反してアサド・シリア現政権との関係改善に踏み切ってぽり、シリアは先日、12年ぶりにアラブ連盟に復帰しました。
アメリカと一部のヨーロッパ諸国は、2011年にシリア危機が勃発して以来、シリア軍の進軍に対抗し同軍の対テロリスト作戦を停止しようと、シリア政府を繰り返し化学兵器使用の口実で非難し、さらに同国内の軍事拠点や研究施設を攻撃してきました。
シリア危機は2011年、サウジアラビア、米国、そして英国やフランスなどの米同盟国が支援する複数のテロ組織が、シオニスト政権イスラエルに有利となるような地域のパワーバランスの変化を狙い、大規模な攻撃を仕掛けたことから始まりました。