ドイツ経済の将来に対するIMFの懸念
IMF国際通貨基金が、イギリスのEU離脱に伴う結果について、ドイツに警告しました。
ラシーディ解説員
IMFは、「イギリスのEU離脱により、ヨーロッパ最大の経済大国であるドイツ経済の展望に影が差している」と発表しました。IMFの報告ではさらに、「IMFは、イギリスのEU離脱により、ドイツ経済の成長率を下方修正する」とされています。
IMFはこの報告の中で、ドイツの2016年の経済成長率を1.7%、さらに来年の成長率を1.5%に下方修正しました。
IMFのライス報道官は、「イギリスのEU離脱によって生じた不信感は、世界経済を大きく脅かしている」と語りました。6月23日にイギリスでEU離脱の是非を問う国民投票が行われ、離脱支持派が52%で勝利しました。この決定は、イギリスのみならず、世界の国々の経済にマイナスの影響を及ぼしています。そうした影響のひとつとして、ヨーロッパの金融市場で株価が急落しました。
IMF欧州部門のドトラジアシュ氏は、「イギリスは、ドイツにとって重要な貿易パートナーであり、両国の経済関係における大きな変化は、ドイツにも影響があるだろう」と語りました。また、「ドイツ経済に関する新たな予測は確実にマイナスになるだろう」としました。
ドイツのショイブレ財務大臣は、「イギリスのEU離脱の決定は、EUの他の加盟国に間接的な影響を及ぼし、ヨーロッパ全体の経済を脅かすだろう」と語りました。ドイツのガブリエル経済エネルギー大臣は、先月30日、ギリシャのアテネで、同国の政府高官と会談し、イギリスの早期のEU離脱、EUの建て直しと強化に向けた新たなアプローチの決定を求めました。ガブリエル大臣と、ギリシャのパヴロプロス大統領は、会談の中で、EUの早急な建て直しを求めました。
EUの関係者は、先週、イギリス抜きで初めての会合を開き、イギリスの離脱条件について検討すると共に、この地域の経済に及ぶマイナスの影響について警告しました。ドイツの経済学者は、この数週間、ユーロ圏の経済への影響について何度も警告し、「この出来事は、EU全体の崩壊を招く可能性がある」と強調しています。