モロッコに各国が相次ぎ支援へ、WHO;「被災者は30万人超」
各国が、最近の地震で大きな被害を受けた北アフリカ・モロッコへの支援に乗り出しています。
ロイター通信によりますと、マグニチュード(M)6.8の地震発生から3日目を迎えた10日日曜のモロッコの被災地域では、食料や水、避難場所の確保が困難となっています。
こうした中、諸外国も支援に乗り出しており、スペインからは56人と4頭の捜索犬で構成する救助チームがモロッコに到着しました。
イギリスも60人の捜索・救助専門家と4頭の捜索犬、4人の医療チームを派遣すると表明したほか、カタールの捜索・救助チームがモロッコに向けて出発しました。
バイデン米大統領は、地震の犠牲者に哀悼の意を表した上で「モロッコの人々にとって必要な援助を提供する用意がある」と表明しています。
一方でモロッコ外務省は、シオニスト政権イスラエルからの被災者支援の申し出を正式に拒否しました。
モロッコ政府は10日、被災者支援に充当する緊急予算を計上しており、救助チームの強化や水と食料、テント、毛布の配布に動きつつあります。
なお、WHO世界保健機関は、今回の地震で被害を受けた人は30万人余りに上るとの見方を示しました。
震源地を含めて被害が大きかった場所の多くが山間部に位置し、たどり着くのに苦労するため救助活動も難航しています。
中部の都市マラケシュから南に40キロ離れたムーレイ・ブラヒム村では、被災した男性(36)が「われわれは何もかも、家も全て失った」と語り、まだ政府からほとんど支援が受けられないので水や食料、電力が不足していると訴えました。
モロッコ国営テレビによりますと、今回の地震による死者はこれまでに既に2122人、負傷者は2421人に達しました。
行方不明者の捜索も続いていますが、既に1960年以降に同国で起きた地震として最大となった死者数はさらに増える公算が大きいとみられています。
なお、日本の外務省によりますと、これまでに日本人の被害情報は入っていないということです。