11月 30, 2023 15:47 Asia/Tokyo
  • ヘンリー・キッシンジャー氏
    ヘンリー・キッシンジャー氏

米ニクソン、フォード政権で大統領補佐官(国家安全保障担当)、国務長官を務めたヘンリー・キッシンジャー氏が29日水曜、米コネティカット州の自宅で死去しました。100歳でした。

報道各社によりますと、キッシンジャー氏は日米関係では沖縄返還交渉に深く関与。交渉の日本側密使だった若泉敬・京都産業大教授との間で、緊急時に沖縄への核兵器の再持ち込みと通過の権利を認める内容の秘密合意議事録(核密約)を作成しました。

さらに、ベトナム戦争休戦や米中国交正常化に尽力したほか、07年には核廃絶を訴える共同提言を発表し、当時のオバマ米大統領の核政策に影響を与えました。

そして、戦後の米ソ対立の構図に中国を加え、大国間のバランスに配慮した外交を追求し、73年には、ベトナムとの和平協定づくりに貢献したとしてノーベル平和賞を受賞しました。

さらに、旧ソ連との間では弾道ミサイルの増強に歯止めをかける72年の第1次戦略兵器制限条約(SALT1)の締結など、緊張緩和(デタント)政策を推進しました。

77年の国務長官退任後も外交評論家として活躍を続け、世界情勢の「ご意見番」の役割を長く果たしてきました。

また100歳となった今年7月には、中国を訪問して習近平国家主席と会談しています。

なお、岸田首相は30日木曜、キッシンジャー元国務長官の訃報を受け、「米中国交正常化など地域の平和と安定に大きな功績を残された。私自身も若い頃から度々お会いし、知見をたまわった。偉大な足跡に心から敬意を表する」と語り、哀悼の意を示しました。

 


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