大英博物館の略奪美術品返還、世界の9割超が求める
(last modified Sun, 03 Dec 2023 08:00:14 GMT )
12月 03, 2023 17:00 Asia/Tokyo

中国のテレビ局CGTNが世界の人々を対象に行ったオンライン調査で、イギリスの大英博物館が収蔵する略奪美術品について回答者の90%以上が返還すべきだとしました。

世界的にも有名な大英博物館は、イギリスの植民地時代に略奪されたものが収蔵品のほとんどを占めており、近年改めて国際的な注目を集めています。

イギリスに対しては、これまでにギリシャ、ナイジェリア、エチオピア、エジプト、チリなど多くの国が、自国から盗まれた古代美術品の返還を求めたものの、「美術品の安全のため」などの口実で拒否されてきました。

しかしこれらの美術品は、大英博物館内でも安全の危機に直面しています。同館では今年8月、古代美術品約2000点が行方不明になり、一部がインターネットオークションに出品されていたことが明らかになっています。

今回のCGTNによる調査では、回答者の88%が大英博物館収蔵の古代美術品の安全性について深く懸念し、さらに「美術品の安全のため」というイギリスの主張は偽善的であると考えていることがわかりました。

ある回答者はコメントの中で、ヨーロッパの一部の国が他国から盗まれた古代美術品の「安全な保管場所」とされているものの、それらの国々は盗みという行為を美術品を守るという名目で覆い隠していると指摘しています。

この調査ではまた、回答者の91.1%が、大英博物館は盗まれた古代美術品に対する補償を行うなど法的責任を受け入れるべきだとしたほか、92.1%が、これらの美術品ができるだけ早く元の国に返還されるために、国際法の枠組みでより拘束力や強制力のある規則を設けていくよう、国際社会に強く求めるとしました。

CGTNによる今回の調査は、同局の英語、スペイン語、フランス語、アラビア語、ロシア語のウェブページ利用者を対象に行われ、1万8000人以上が回答を寄せていました。

 


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