アメリカ人学生らのパレスチナ支持デモに関する6つの論点
(last modified Sun, 28 Apr 2024 11:37:11 GMT )
4月 28, 2024 20:37 Asia/Tokyo
  • 米での学生による抗議デモの6つの論点
    米での学生による抗議デモの6つの論点

アメリカの各大学は最近、パレスチナ・ガザ地区でのシオニスト政権イスラエルによる虐殺に対する学生の抗議活動の舞台と化しています。アメリカの学生らは、停学や逮捕を示唆され、雇用機会を失う可能性があるにもかかわらず、こうした抗議活動を開始しました。

アメリカにおけるパレスチナ支持を目的とした学生による集会は、ニューヨーク州のコロンビア大学で始まり、現在、全米の他の主要な32の大学にまで広がっています。

アメリカの諸大学とシオニスト支持者らとの経済的・心理的関係の断絶を求めるアメリカの学生たちは、これらの抗議活動によって、自分たちが歴史の正しい側に立っていることをアピールしました。

彼らは、自分自身と今回の抗議運動を誇り思うと述べています。それはまた、アメリカの大学に限らず全世界が誇れるものでもあります。

大学での集会、特にコロンビア大学での集会に関して注意すべき重要な点は、この大学の学生らが同国の中産階級の代表ではないということです。彼らの多くを、アメリカの上院議員、富裕層、上流社会の子弟が占めています。つまり彼らの家族は、アメリカの強力なシオニストロビーとつながりがあり、同国の政界に留まるべくそうしたロビーから支援を受けている立場にあると言えます。

アメリカの上院議員らは、シオニストに抗議している学生たちに反イスラエル的な暴徒というレッテルを貼って、アメリカ政府に対し、彼らに対処しなるべく早く大学に平和と秩序を取り戻すよう求めています。このために抗議する学生らは、停学や逮捕の脅迫を受けているのです。

この一方、金を握るユダヤ人実業家らは、パレスチナ支持デモ参加者を弾圧しなければ大学の予算を削減するとして脅迫しています。

 

アメリカ人学生は何を主張しているのか?

シオニスト政権イスラエルの犯罪とそれを幇助するアメリカに抗議する学生たちの要求内容は、大学によって異なります。

 

米のイスラエル政権支持に抗議する米国人学生ら

 

学生らの主な要求内容は、以下のように要約できます;

「シオニスト政権に武器を供給する兵器製造業者との取引を停止すること」

「シオニスト政権の軍事的目論見を支援するようなプロジェクトのためにシオニストから研究資金を受領するのを止めること」

「シオニスト系の企業やその契約業者から利益を得ている理事のいる大学への投資を回避すること」

「シオニストから受け取った資金とその使い道についてさらに透明化すること」

ここからは、アメリカの大学におけるパレスチナ支持デモに関する6つの点について説明していきます。

 

1.米の若年層での認識度の向上

アメリカでは、高齢者よりも若者世代の方が世界的な危機や問題をはるかに正確に認識しています。Black Lives Matter(「黒人の命は大事だ」運動)、気候変動、銃の安全キャンペーンなどの集団行動の時代に育った、いわゆるZ世代の学生たちは、パレスチナの自由・解放を支持する大規模な連合を結成しています。しかし、このことはもはやアメリカの政治家の扱う課題と化し、彼らは、新法案の可決や学生の弾圧・逮捕によって、こうした活動の継続と拡大を阻止しようとしています。

 

 

米大学内でパレスチナ支持を表明し座り込みをする学生ら

 

2.激しい弾圧

シオニスト政権は数十年もの間、正当な言い訳もなくパレスチナ人を虐殺してきましたが、パレスチナ・ガザ戦争は、シオニスト政権のこれまでを超える残忍さを物語っています。焼け焦げた幼児の遺体、泣き叫ぶ母親、食糧援助を待ちながら飢えの中でシオニストの銃撃で殉教した人々の映像は、世界中の人々の感情を搔きむしり、衝撃を与えました。

 

米大学内でパレスチナ支持を表明し座り込みをする学生ら

弁護士や人権活動家らが「大量虐殺」だとしている戦争の停止を叫ぶ声のために、アメリカの大学の学生らはシオニスト政権への対抗に動かされています。しかし、大学の管理者たちは現在、学生たちを厳しく弾圧し、警察に学生らの逮捕を要請し、さらには自らも数十人の学生を停職処分としました。

 

3.大学の教職員らは学生側に

アメリカの大学では、数百人もの教職員が「学生を停学させない」と書かれた横断幕を掲げて業務ストライキを行ったため、どうやら学生の停学処分の決定は逆効果だったようです。

先週、米国大学教授協会は学生らの停学と逮捕を非難する声明を発表し、「我々は大統領と政府に対する信頼を失っており、大学を取り戻すことを約束する」としました。

 

4.政治家はシオニストに加担

この一方、ジョー・バイデン現米大統領と他の米当局者はシオニスト政権を支持しています。バイデン氏は、パレスチナ人に対しシオニスト政権が行う残忍な戦争を止めさせるための措置を全く講じなかったことから、非難の矢面に立たされていますが、そうした中でも、反ユダヤ主義の増大について警告する声明を発表しています。

米ホワイトハウスは、ガザで包囲されている230万人のパレスチナ人への支援を求めて抗議する学生たちの懸念を無視し、大学キャンパス内でのユダヤ主義排斥を主張しました。

 

イスラエルに寄り添い、学生に対抗する米の政府と軍

 

こうした中、ミシガン州選出のラシーダ・タリーブ氏やミネソタ州選出のイルハン・オマル氏など、イスラム教徒を中心とした米民主党下院議員数名が、抗議活動を行った学生への処罰を批判しました。これらの抗議活動中に大学から停学処分を受けた学生の1人には、イルハン・オマル議員の娘にあたるイスラ・ヒルシ氏(21)もいました。

 

5- シオニスト・ロビー活動はなおも継続

数百人のパレスチナ支持デモ参加者が当局からの司法的措置や脅迫に直面している一方、少数の親シオニスト派抗議者が大学キャンパスに突入して「イスラエルの勝利」を唱えたと報じられています。このグループは、シオニスト政権イスラエル軍の一部隊であるカフィール旅団の旗を掲げていました。

親イスラエル団体であるシリオン・コレクティブは、アラブ人男性がかぶるクーフィーヤを被っての大学キャンパスでの学生抗議活動への潜入を希望する人々を金で雇うという、奇抜な行動に走りました。オンラインで公開された同団体の投稿には、「抗議する学生集団の奥深くに潜入し、それによって抗議活動がやらせであるとのレッテルを貼れるよう、アラブ系の名前や西アジア系の容姿を持つ人々を特に探している」とされています。

 

6-各大学から出された要求

アメリカ当局は、抗議活動をする学生らを、明確な目的を持たずに怒っている若者の集団だと吹聴しようとしていますが、実のところ米大学での抗議活動への参加者らは、自分たちの状況を明確な言葉で表現しています。

学生らは、イスラエルの戦争犯罪に加担しているとみなしている大学関係者に説明責任を求めています。それは、これらの関係者らが戦争支援企業への大学の投資を停止していないことが理由です。国連によれば、アメリカの複数の大学の年金基金も、ガザ戦争に加担しているシオニスト企業に資金を投資しているということです。

学生たちはさらに、大学に対してイスラエル占領地域のシオニスト系機関と締結した協定の破棄も要求しています。

 

 


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