6月 18, 2024 14:17 Asia/Tokyo
  • 米軍に拷問されるイラク人フサイン・サアド・ファルフ氏
    米軍に拷問されるイラク人フサイン・サアド・ファルフ氏

アメリカの軍事史家ブライアン・P・ウォルシュ氏が米紙ワシントン・ポストに寄稿し、第二次世界大戦後の米軍の日本駐留を表現する方法がアメリカのイメージとして適切ではなく、それについて語り伝えられる内容が疑われるとしました。

【ParsToday国際】この記事のタイトルは「アメリカ兵に対する不当な評価はどのようにして歴史書に載ったのか?」というものです。ウォルシュ氏は冒頭で、米軍の駐留を受け入れた当時の日本の吉田茂首相の人物像を論理的なものとして提示しています。この語り伝えでは、占領軍と協力し彼らに祖国を差し出すことが合理的なことだとされています。

注目すべき点は、記事では米国による日本への原爆投下に言及していないことです。戦争で原子爆弾を使用した国はたった一国しかありません。これは2度起こり、しかもそのいずれも日本国民に対して使用されました。興味深いのは、ワシントン・ポストの記事本文が、日本の戦争の問題において対米世論の憎悪と偏向を取り上げている一方で、民間人に対する最も不可解かつ最も悲惨で歴史に残る爆撃については言及していないことです。

この論説においては、アメリカ占領軍の犯罪を語る歴史書は杜撰で偏った、完全に不正確な文章だと解釈されています。また続けて、占領開始後の10日間に米兵が神奈川県で日本人女性らを強姦したことには疑問が残り、この中では史的証拠なしに女性に対する1366件の強姦の統計が否定されています。記事は、6年間の占領期間中に連合軍(アメリカ軍と他の同盟国の両方)による1100件の強姦という統計のみを受け入れ、事実として認めています。

 

米軍の対日爆撃で廃墟と化した地域


ウォルシュ氏はまたこの記事の別の部分で、アメリカ兵の性感染症罹患率の高さを矮小化しようとしています。さらに、日本占領に関する大学の資料や書籍に見られる反米的な雰囲気に落胆し、「米国の高等教育において大学関連の歴史があまりにも政治化されているため、比較的中立的な歴史家ですら、蔓延する反米ムードの影響を受けざるを得ない」と述べています。

続けて、歴史研究者を偏見やこだわりを持っているとして批判し、「今日流布している偏見は、米国、特にその軍隊が弾圧的勢力であることから、世界にいかなる前向きな変化も起こせないと信じている」と述べています。

ウォルシュ氏により偏見ありと非難された人物の一人は、2019年に日米関係を侮辱的だと呼んだジョン・W・ダワー氏です。ダワー氏はあるインタビューで「我々は、日本をアメリカ帝国の塹壕にし、中国への敵対的な立場を強いることで日本の独立を危険にさらす日米安全保障条約の継続に反対している」と語りました。

ウォルシュ氏は、ダワー氏が日本に対するアメリカの準植民地的行為を批判したことで、彼を狂信者だとしたのです。

一般的に、この不可解なやり方は、日本のメディアや歴史学、社会科学などの教授らの大幅な研究不足、また、イエスマン的な日本政府が抑圧された日本人の歴史の記憶や語り伝えの擁護を渋っていることによるものであると言えます。また、アメリカの主流メディアの一部はじわじわと歴史を歪曲し、日本に対する犯罪を正当化しようとしています。

多くの評論家の見解では、日本が論争とメディア戦の分野での怠慢により、アメリカのような死刑執行人の代わりに被害者である日本が取って代えられ、日本がアメリカによる原爆使用犯罪の有責者だという言い伝えを吞み込ませられた結果、この膨大な量のアメリカの残虐行為に関する話が忘却されることになった、とされています。

 

アメリカ兵による日本人女性暴行に抗議する市民デモ

 

 


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