米の制裁打破に有効なBRICSの脱ドル政策
7月 01, 2024 16:45 Asia/Tokyo
世界で脱ドルの動きが進む中、BRICS加盟国は通貨バスケットを背景とした独自通貨の導入を目指しています。
【ParsToday国際】BRICSはブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの5カ国で始まった経済協力枠組みで、昨年イランや他数カ国が正式に加わりました。BRICSの目標のひとつは脱米ドルで、これを達成するために独自通貨の導入が加盟国間で議論されています。
ロシアはBRICS現議長国として、加盟国の金融力を強化するため各国銀行間の決済協力の拡大を掲げています。
今年3月、ロシア大統領府顧問のユーリ・オシュコフ氏は、BRICS独自のブロックチェーンの開発を進めていると明かしました。このシステムでは、BRICS各加盟国の銀行・金融機関を共通の決済システムに接続することが想定されています。
現在の世界の金融システムは、取引のおよそ9割がアメリカの管理下に置かれているものです。しかし、昨年の世界全体の石油決済の5分の1がドル以外の通貨によるものだったという動きも出てきています。
ドルに対抗できる通貨が確立すれば、アメリカによる制裁を無効化し、制裁を受けている国にとっては非常に重要になるとみられています。
ロシアのリャブコフ外務次官は、今年10月にロシアで開かれるBRICS会合で脱ドルが主要な議題のひとつになると明かしました。
こうした動きが成功すれば、米国は政治的手段としての制裁を行使しにくくなり、グローバルサウスと呼ばれる国々にとっては非常に好ましい状況になります。