ベネズエラ大統領選で起きたこと
ベネズエラの大統領選結果をめぐり、アメリカなどの西側諸国は野党側の候補者を支持していますが、そのアメリカやカナダなどでは選挙結果を公表することを定めた法律はなく、実際の選挙でも投票結果の発表は大幅に遅れることがあります。
【ParsToday国際】ベネズエラでは2002年にもクーデターが起きていますが、今回はより組織的なサイバー攻撃によるものです。今回の大統領選挙は、国連やアフリカ連合などから635人もの選挙監視団が立ち合って、電子投票により行われました。それにもかかわらず混乱が起きているのは、アメリカのいつもながらの行動と暴動を煽り混乱のために資金提供をする反体制派の存在があるからです。
選挙結果
先月28日に行われた大統領選挙では、現職のマドゥロ大統領が515万92票を獲得し、51.2%の得票率で再選を果たしました。これに対し、野党のゴンザレス候補は444万5978票で得票率44.2%でした。これは同国の選挙管理を担う全国選挙評議会が開票率80%の時点で発表したものです。
サイバー攻撃
最終的な選挙結果は、開票が80%まで進んだところで選挙管理システムがサイバー攻撃を受けたことにより、いまだに判明していません。このサイバー攻撃は100回以上にわたり、追跡の結果、北マケドニアから行われたものであることが分かっています。マドゥロ大統領は、Xを運営するイーロン・マスク氏をこのサイバー攻撃の張本人だとしています。
各国の事例
ベネズエラの選挙結果に対して西側諸国が疑念を示している一方で、アメリカやカナダなどでは選挙結果を公表することを定めた法律はなく、実際の選挙でも投票結果の発表は大幅に遅れることがあります。例えば、2000年の米大統領選挙の最終結果が発表されたのは、投票の37日後でした。また、2021年の大統領選でも選挙結果の公表に4日間の遅れがありました。
クーデターと暴動
今回のベネズエラ大統領選では、最初に結果が公表されると大規模な暴動が発生しました。この暴動は、野党連合の指導者であるマリア・コリナ・マチャド氏によって計画されたものでした。暴動を起こしたグループは、コロンビアの犯罪組織から訓練を受け、公共・私有物を問わず放火を繰り返しました。一連の暴動で治安部隊77人が負傷、1人が死亡しています。
政府側の対応
ベネズエラ政府は暴動に関与した1062人を逮捕したと発表しました。それによると、暴徒らには薬物中毒の症状がみられ、逮捕後すぐに犯行を自供したということです。このことは、ベネズエラ政府がテロや組織犯罪への対処に優れていることを示しています。