G7の反ロシア政策に対する一部欧州諸国の不満
ハンガリーのオルバーン首相が、EUの対ロシア制裁の見直しを求めました。
【ParsToday国際】オルバーン首相は「EUの対ロシア制裁はエネルギー価格上昇を招き、欧州の競争力を弱める」と表明しました。
欧州議会は最近、ロシアによるEUおよびG7の制裁回避及び石油・ガス輸出に対抗することを目的とした決議案を可決しました。この決議は、EU加盟国およびEU機関に対し、石油とガスの輸出を目的としたロシアの「幽霊艦隊」として知られる存在に対処するよう求め、船舶の監視強化を目的とした無人機や人工衛星の使用、そして無保険でEU海域を航行する船舶への罰金などを謳っています。
決議は他にも、液化天然ガスを含むロシアの化石燃料の輸入・使用の完全な禁止を要求しました。
対ロシア制裁が無効であることを認めた西側諸国
西側機関はこれまで主に、制裁や監視の回避を目的に利用される幽霊艦隊や石油輸送船の制御に熱を上げてきましたが、欧米諸国の情報源によれば、これらの機関は目ぼしい成果を挙げていません。
米ブルームバーグは「中国やインドなどのロシアの主要輸入相手国における安価な石油の需要により、対ロシア制裁措置の成果は限られている」と報じました。
対ロシア制裁での西側諸国の失敗は非常に大きく、一部の非公式の報告によれば、欧州諸国はロシアのエネルギー輸入者側に加わっているとまで報じられています。
こうした輸入国にはギリシャ、ブルガリア、トルコの3カ国が挙げられます。もっとも、これらの国はEUおよびその他の欧州諸国へのエネルギー輸送の仲介者としての役割しか果たしていないことに留意する必要があります。
IEA・国際エネルギー機関も最近、「ロシアは制裁を受けている中、需要を喚起するために同国産の石油輸入国に大幅な割引を提供している」と発表しました。
専門家らの見解では、EUがロシアやその他のエネルギー供給国に対して踏襲した政治的アプローチは、欧州の経済とエネルギーインフラの助けにならなかったのみならず、必要なエネルギーをより高額かつ持続不可能な方法で輸入する原因にもなったとされています。