トランプ米大統領の発言に対する中南米諸国の立場
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パナマのホセ・ラウル・ムリーノ大統領
トランプ米大統領の就任から3週間あまり。この間、メキシコ湾の名称変更やメキシコへの関税賦課、パナマ運河の領有主張など、その発言や決定が中南米諸国からの反発を招いています。
【ParsToday国際】トランプ氏は先月20日の就任後、太平洋と大西洋を結ぶパナマ運河を領有する意向を改めて表明しましたが、パナマ当局はこれに反発しました。パナマのホセ・ラウル・ムリーノ大統領は、トランプ大統領の発言に対し「パナマ運河とこれに隣接する全区域はたとえ1平方メートルであれ我が国のものであり、今後もそれは変わらない」と断言しました。
ムリーノ大統領はまた、「いかなる国にもパナマ運河管理に干渉する権利はない。なぜなら、この運河の管理は誰かから特権として与えられたものではなく、1999年に最高潮に達した複数世代にまたがる闘争の結果だからだ。その結果成立したのが、1999年にパナマ運河を米からパナマに返還することを取り決めたトリホス・カーター条約である。それ以来25年間我々は絶え間なくこの運河を管理・拡張し、米国を含む世界とその貿易に貢献してきた」と語りました。
最近の米国領土拡大をめぐるトランプ大統領の発言はパナマ運河の占領だけにとどまらず、同氏はカナダ、グリーンランド、パレスチナ・ガザ地区に関しても国際慣例に反する計画案を提起しています。
トランプ大統領はまた、前回の任期中にもベネズエラに制裁を課すとともに、キューバをテロ支援国家リストから除外したバイデン前大統領の決定を破棄しました。
キューバのミゲル・ディアスカネル大統領は自身のXに、「トランプ大統領は事実の歪曲や侮辱という傲慢な行為に走り、再びキューバにテロ支援国家という偽名を冠した。これは驚くに値しない」と投稿しました。
ベネズエラのイヴァン・ギル外相も、米国が再度キューバをテロ支援国家に指定したことに触れ、米国の脅迫に屈しないことを強調しました。
トランプ大統領はメキシコ湾を「アメリカ湾」に名称変更する大統領令も発令し、メキシコの国益をも侵害しています。もっとも、この命令が受け入れられたのは米国内とグーグルのウェブサイトだけで、それ以外では全て否定されました。特にメキシコのクラウディア・シェインバウム大統領はトランプ大統領の発言を批判する声明を出し、アメリカ合衆国の国名を「メキシコのアメリカ(メキシカン・アメリカ)」に変更することを提案しています。
シェインバウム大統領はまた、トランプ政権の反移民政策に反応し、米国における移民の存在の重要性を強調するとともに「はっきりと声高に伝えられるべきだ。アメリカ経済を支えているのはメキシコから渡った男女たちだと。メキシコ人労働者がいなかったら、アメリカは今のような国にはならなかっただろう」と語りました。
シェインバウム大統領はトランプ大統領がメキシコ製品への25%の関税賦課を決定したことを受け、メキシコとして米国に対し「関税面およびそれ以外の措置」で対抗すると警告しました。