物議を醸すトランプ大統領の命令:新たな国勢調査から不法移民を除外
-
物議を醸すトランプ大統領の命令:新たな国勢調査から不法移民を除外
ドナルド・トランプ米国大統領が、不法移民を米総人口から除外するための新たな国勢調査の実施を求めました。
米CNNは最近、「トランプ米大統領は自身のメディア・Truth Socialへの投稿で米商務省に対し、不法移民を人口統計から除外する新たな国勢調査の実施を指示した」と報じています。
【ParsToday国際】トランプ氏は「米国に不法に滞在している人々は国勢調査にカウントされない」と語りました。
トランプ氏の大統領令は、これまでの国勢調査では移民のステータスに関わらず全ての米国居住者が対象とされてきた米国の従来までの国勢調査の慣行に大きな変化をもたらすことになります。2026年の中間選挙を前に、与党共和党に有利となる議席配分の変更を求めるホワイトハウスからの圧力が高まる中、トランプ大統領は今回の変更が選挙における共和党の立場強化に役立つことを期待しています。
アメリカ合衆国憲法は、連邦議会での代表者決定のため10年ごとの国勢調査実施を義務付けています。この国勢調査はアメリカ国内の全居住者を数えることを目的としており、憲法修正第14条は各州の「全人口」を数えることを義務付けています。国勢調査のプロセスに少しでも変更があれば、各州と下院の勢力バランスに大きな影響を及ぼす可能性があります。
トランプ大統領のこうした行動は、米国内の対立を激化させる可能性が高いと見られます。複数の予測によれば、早期の国勢調査によって下院議席が野党民主党支持派の多い州や、政治的影響の乏しい州から共和党支持者の多い州に移る可能性があります。ニューヨーク・ロー・スクールのジェフリー・ワイス教授は「トランプ大統領は、議席の再配分のために一方的に新たな国勢調査を命じることはできない」とコメントしました。
トランプ大統領は前回の在任中、2020年の国勢調査に変更を加え1950年以来初めて国籍(米市民権の有無)に関する質問項目の追加を試みました。しかしこの提案は強い反対に遭い、最高裁判所で却下されました。批評家らは「この質問項目の追加により少数民族や市民権を持つ人の数が過少にカウントされる」と主張しています。
国勢調査の改革を訴えている共和党政治家はトランプ氏だけではありません。ジョージア州選出のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員は最近、市民のみを対象とした新たな国勢調査を求める法案を提出しているほか、フロリダ州のロン・デサンティス知事も最近、同州の議席数増加を擁護しています。
国勢調査の変更は、トランプ大統領が政府関連報告の公平性に疑問を投げかける最新の動きだと言えます。先週にも、トランプ大統領は政治目的で雇用統計を操作したとして、BLS労働統計局のエリカ・マッケンターファー局長を解任していました。