欧州委員「ガザの飢餓は現実」/オランダの反イスラエル派閣僚が辞任
-
辞任したオランダのカスパル・フェルトカンプ外相
欧州委員会の委員が「ガザ地区における飢餓は否定できない現実になった」と強調しました。
【ParsToday国際】ガザにおける人道危機は日々深刻化しています。この点に関して、国際機関はガザで飢餓が人命を奪っていると警告するとともに、即時の人道支援提供と停戦を求めています。
欧州委員会のアジャ・ラビブ委員は22日、国連などの支援を受けて世界各国の飢餓状況を監視する「統合食料安全保障フェーズ分類(IPC)」がガザ地区の状況を「壊滅的なレベルの飢餓・飢饉」と認定したことを受けて、自身のXに「ガザにおける飢餓は紛れもない現実となり、市民らが餓死しかけている」と語りました。
IPCの報告書によれば、ガザ地区ではすでに飢饉が確認されており、今後数週間でガザ中部デイル・アルバラーと南部ハーンユヌスにも広がると見込まれています。IPCはまた、9月末までにガザ地区の人口の約3分の1、即ち約64万1000人が飢饉の危機に瀕する可能性があると警告しました。
ラビブ委員はさらに飢餓の規模に言及し、「これは時間との戦いだ。イスラエルに対し、支援を必要とするすべての人々が支障なく継続的に人道支援が受けられるように要請する」と強調しました。
オランダ外相、イスラエルに対する弱腰姿勢に抗議し辞任
オランダのカスパル・フェルトカンプ外相が22日、政権が対イスラエル制裁発動に反対したことを理由として辞任しました。
フェルトカンプ外相は「オランダ政府は既に重要な措置を講じているものの、ガザ地区とヨルダン川西岸の状況について更なる措置を講じる義務を負っている」と述べました。同外相は、政府がヨルダン川西岸およびガザにおけるイスラエルの行動に対する制裁発動をめぐり合意に至らなかったことを受け、辞任を表明しました。
ベルギーの複数の大学がイスラエルを糾弾
ベルギーの複数の大学学長らが、イスラエルをEUの研究・イノベーション枠組みプログラム「ホライズン・ヨーロッパ」から除外するよう求めました。
このうち、スロベニアのリュブリャナ大学は、ガザ地区の人々に対するジェノサイド行為の報告を理由に、EUに対しイスラエルをこのプログラムから除外するよう要請しました。また、同大単独でもホライズン・ヨーロッパのプロジェクトにおいてイスラエルの機関と協力しないことを発表しました。
EUは現在、ガザ地区への戦争と封鎖を理由に、イスラエルへの学術的制裁を検討しています。EUとイスラエルの協力協定は、イスラエルがホライズン・ヨーロッパに参画する基盤となっており、イスラエルはこれまでに8億5600万ユーロの資金を受け取っています。
イタリア、シオニストのFIFA除名を要求
イタリアのANSA通信によると、イタリア・サッカーコーチ協会(AIAC)は同国サッカー協会(FIGC)のガブリエーレ・グラヴィーナ会長に書簡を送り、欧州サッカー連盟(UEFA)と国際サッカー連盟(FIFA)に対し、イスラエルを国際サッカーから一時的に出場・資格停止処分にするよう求めました。
こうした動きは、英リバプールFCのスター選手でエジプト代表でもあるモハメド・サラー選手が、パレスチナ・サッカー界のレジェンド、スレイマン・アル=オベイド氏がイスラエルにより殺害されたことに抗議したことから広まりました。