米誌ニューズウィーク:「米国はベネズエラ攻撃に出るか?」
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米誌ニューズウィーク:「米国はベネズエラ攻撃に出るか?」
アメリカの雑誌「ニューズウィーク」が、際問題の専門家を通じて、米国の対ベネズエラの攻撃が実行される可能性を査定し、起こりうる攻撃のシナリオを検証しました。
ParsToday国際】ニューズウィークは米・ベネズエラ関係の緊迫化を踏まえ、ある記事においてアメリカの対ベネズエラ攻撃の可能性に関するシナリオを検証し、「専門家らは、現在カリブ海南部地域で高まっているアメリカの軍事的緊張が対ベネズエラ攻撃への第一歩ではないかとの疑念を抱いている」と報じています。
この米誌は「米国はベネズエラを攻撃するか否か」という疑問への回答として、「アメリカが明確な攻撃の意図を示していないため、攻撃の可能性は低い」としました。ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領が軍事配備を歴史的な脅威と見なしてはいるものの、軍事専門家はこれを「武力的誇示」に過ぎず、実際の攻撃の前兆ではないと見ています。同記事によると、専門家の間では、ベネズエラのように山岳地帯や森林、制御困難な都市部を抱える複雑な地形を持つ国で、アメリカが大規模な軍事作戦のリスクを受け入れる可能性は低いと考えられています。特にその理由として、この地域に配備されている米軍の兵力は数千人以下であり、本格的な攻撃には不十分であることが指摘できます。
英ロンドンにある王立国際問題研究所・チャタムハウスの南米問題の研究者、クリストファー・サバティーニ(Christopher Sabatini)氏は、「4500人の兵士で山や森、そして複数の中心都市を抱える国に侵攻できるなどと考えるのは正気の沙汰ではない。これは双方にとって単なる見せかけでしかない」との見解を示しました。また英国戦略地政学評議会の国家安全保障研究者、ウィリアム・フライヤー(William Fryer)氏はニューズウィーク誌に対し、「トランプ米政権はベネズエラの計画に憤慨してはいるが、現在までのところ軍事介入の明確な意図を示していない」と語りました。
想定される攻撃のシナリオ
ニューズウィーク誌はまた、ロンドンにあるRUSI王立防衛安全保障研究所のカルロス・ソーラー(Carlos Soler)研究員の話として「米国がベネズエラを攻撃する場合、まず長距離トマホークミサイルによる攻撃でベネズエラの防衛システムと軍事力を破壊し、ミサイル基地、弾薬庫、レーダー、通信センター、無人機基地を破壊するだろう」としています。さらにソーラー研究員は続けて「戦争が勃発した場合、米軍は第2段階として魚雷、誘導弾、対空ミサイルを用いて攻撃を継続する可能性が高い」と付け加えています。一方、こうした中でキューバは「ベネズエラの合法政権とマドゥロ現大統領が麻薬密売カルテルとつながりがあるとした米国の主張は、荒唐無稽で愚鈍な口実である」と主張しています。