アフガン・パキスタン国境での米国の分裂扇動; 故ヒズボッラー事務局長の警告とは?
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レバノンのイスラム抵抗組織ヒズボッラーの元事務局長で先だって殉教したセイイェド・ハサン・ナスロッラー師は近年において、アメリカとシオニストが仕組んだ扇動的な計画に対して繰り返し警告し、これらの扇動に関与するアメリカの因子、シナリオ、および手段を列挙していました。
(last modified 2025-11-01T05:18:51+00:00 )
11月 01, 2025 13:11 Asia/Tokyo
  • 殉教したレバノン・イスラム抵抗組織ヒズボッラーのナスロッラー元事務局長
    殉教したレバノン・イスラム抵抗組織ヒズボッラーのナスロッラー元事務局長

レバノンのイスラム抵抗組織ヒズボッラーの元事務局長で先だって殉教したセイイェド・ハサン・ナスロッラー師は近年において、アメリカとシオニストが仕組んだ扇動的な計画に対して繰り返し警告し、これらの扇動に関与するアメリカの因子、シナリオ、および手段を列挙していました。

去る10月、パキスタンとアフガニスタンの国境で危険な緊張が生じ、この時にはアフガン軍が同国首都カーブルと南東部パクティカ州の軍事拠点を狙ったパキスタンの空爆に応じて、パキスタン領土への攻撃を開始しました。この緊張は表向きには、相互の安全保障上の対立の結果のように見えるものの、この紛争の舞台裏には、地域を内側から爆発させようという手段的工作を裏付ける、より奥深い危険な側面が潜んでいます。

【ParsToday国際】メフル通信によりますと、パキスタンとアフガンの国境情勢の変化は実際には、民族、宗教、宗派間の対立を通じてのイスラム諸国の分裂を狙った、旧来からのアメリカ・シオニストの策略の新たな章であると見られています。この戦略計画を分析すると、ナスロッラー師の警告が想起されてきます。彼は予てから「敵は直接攻撃よりも扇動行為の方をより効力ある武器と考える可能性がある」と警告していました。

ナスロッラー師の警告;「占領よりも扇動の方が危険」

2003年の米国によるイラク侵攻以来、ナスロッラー師は、戦争を外国勢力が背後で操る内紛へと転化させることに対して常に警鐘を鳴らしてきました。同師は「米国は直接的な占領による覇権の確立に失敗した後、内部分裂と宗派・民族間の紛争を煽る戦略に訴えてきた」と考えています。

故ナスロッラー師は2006年5月25日のレバノン解放記念日の演説で、こうした策略の明白な実行メカニズム開示し、次のように述べました;

「彼らは我々にとっての敵を作り、我々を衝突や戦争に陥れようとしている。彼らは我々に仮想敵を作り出し、我々の一部の無知や遅滞により、この計画は成功する。彼らは我々の国民、そしてアラブ人、ペルシャ(イラン)人、トルコ人、クルド人、バルーチ人、タジク人、ウズベク人の間に多くの敵を作り、我々が民族的執着・プライドによって憎悪と恨み積み上げ、我々の共同体の他の若者らと戦うように仕向けようとしている。レバノン、エジプト、イラクにおけるイスラム教徒とキリスト教徒の間の緊張もまた、同じ性質のものだ。この共同体向けに計画されている最も危険な陰謀は宗派主義の危険であり、米国政府および、シオニスト政権イスラエルの諜報機関モサドは政治、文化、メディア、そして安全保障の面でまさにこれを実行している。わが国を脅かす最大の危険因子は、イスラムの2大宗派たるスンニー派とシーア派の対立である」

これらの言葉は、アフガン・パキスタン間の緊張が単なる偶然ではなく、民族主義的・宗教的対立の扇動による国家の分裂を狙った綿密な策略であることを物語っています。したがって、故ナスロッラー師の警告は単なる予言ではなく、様々な場面で現れる敵の戦略の深奥を読み解いたことの結果だと言えます。

パキスタン・アフガン関係緊迫化の背景

2021年にアフガンの現支配組織タリバンが首都カーブルを制圧して以来、同国を拠点とするTTPパキスタン・タリバン運動の活動により、この両国の関係は益々緊迫化しています。パキスタンはアフガン国内でTTPを繰り返し空爆していますが、これはタリバンの報復を受けています。

しかし、ここでもっと重要なことは、こうした緊張が人口の多様性と民族的分裂を伴う一触即発の地域で発生しており、それがアメリカの扇動行為にとって格好の条件となっていることなのです。

 

 


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