EUは当事者か?それとも傍観者か?
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EU欧州連合が国際情勢から大きく取り残され、イランに関しても、EUは自らイランの核問題におけるその役割をこれまで以上に弱めている模様です。
(last modified 2025-11-03T09:44:35+00:00 )
11月 03, 2025 12:31 Asia/Tokyo
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    EUは当事者か?それとも傍観者か?

EU欧州連合が国際情勢から大きく取り残され、イランに関しても、EUは自らイランの核問題におけるその役割をこれまで以上に弱めている模様です。

政治評論家の間では、かつて米国と肩を並べる世界大国になることを夢見ていたEUが、今やかつてないほど世界の情勢から取り残されている、と見られています。

【ParsToday国際】イラン学生イスナー通信によりますと、安全保障面での対米依存とEU加盟国間の内部対立の影で、外交政策分野における「1つのヨーロッパ」の夢は、かつてないほど薄れつつあります。

こうした傾向は、ドナルド・トランプ氏の米政権復帰によりさらに加速しています。「アメリカ・ファースト」のスローガンと「力による平和」の原則に基づくトランプ氏の外交政策により、ヨーロッパが独立した役割を果たす余地はほとんど残っていません。ジョー・バイデン前政権は大西洋横断協力の強化を重視していたものの、トランプ現政権は事実上異なる道を歩み、多くの問題においてアメリカに同盟するヨーロッパ諸国を脇に押しやった形となっています。

シャルム・エル・シェイクにおける屈辱

こうしたアプローチの変化を象徴するのが、ガザ問題をめぐりエジプト東部シャルム・エル・シェイクで最近開催された会合でのトランプ大統領の行動です。マクロン仏大統領、イタリアのメローニ首相、スターマー英首相といった欧州首脳とのやり取りは決して形式的な様相はなく、逆に欧州を政治的に無視するという公然たるメッセージでもありました。アメリカの外交専門誌「フォーリン・ポリシー」も分析の中で、こうした芝居がかった行動によって、トランプ大統領は世界情勢における「欧州の影響力の限界」を暴露したことを指摘しています。欧州はもはや、象徴的な行動においてのみならず、実際の意思決定の場からも完全に退いた格好となっており、現実にガザ危機においてはアメリカが完全に主導権を握り、欧州は単なる傍観者に成り下がっています。

スナップバックとイラン核問題における役割履行の終焉

欧州のこの受け身的な行動は、イラン問題にも顕著に表れています。欧州諸国は、「スナップバック」メカニズム(対イラン制裁の再発動を可能にする仕組み)の発動といった政治的決定によって、イランとの核交渉における対話と役割履行の道を事実上遮断した形となりました。対イラン制裁が再発動されたのは、英独仏が米国の圧力によりスナップバックを実施した時期のことであり、このケースでは、英独仏は意思決定者というよりは命令の単なる執行者でしかありませんでした。イランはまた「EUはスナップバックの実施により、今後のイラン核問題における役割を全て正式に放棄したことになり、今後彼らはこの問題に関して一切役割も持たないだろう」と表明しています。

ウクライナ戦争

ヨーロッパ諸国の首脳陣は、ヨーロッパにおける戦争の再発やウクライナ紛争といったより重大な問題に関しても、独自の行動を起こすよりも、アメリカの立場表明を待つという指示待ち族の傾向が強く見られます。欧州は今や、国際情勢においてかつてないほど脇に押しやられているのです。内紛、安全保障面での対米依存、そして一貫した外交戦略の欠如により、欧州はすっかり受動的な勢力に成り下がっています。

 

 


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