アフリカにおけるイスラエルの影響力拡大の危険性:黒い大陸の独立に対する隠れた脅威
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イスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領
シオニスト政権イスラエルのヘルツォグ大統領が、イスラエルの孤立打開に向けた工作の一環としてアフリカを訪問しています。
【ParsToday国際】イツハク・ヘルツォグ大統領は、イスラエルとアフリカ諸国との外交関係強化に向けた工作の一環として10日月曜にザンビアとコンゴ民主共和国を訪問する予定です。
今回の訪問が実施されたのは、シオニスト政権がガザ紛争と攻撃政策の続行により、かつてないほど国際的に孤立し、世論からの圧力にさらされている中でのことです。したがって、アフリカにおけるイスラエルの影響力拡大は単なる外交プロジェクトではなく、政治的孤立からの脱却に加えて、長年にわたり世界的な批判、人権侵害、そして世論の圧力に直面し、近年ガザ地区に住むパレスチナ人に対する犯罪激化の中でますます孤立を深めてきたシオニスト政権の国際的イメージ再構築のための本格的な戦いでもあります。
実際、イスラエルにとってアフリカの重要性は経済的な側面だけにとどまらず、多くの戦略的機会をもたらすものと考えられています。それは、アフリカ大陸が国連総会で50以上の議席を有することに加えて、鉱物資源の潜在力、新興市場、そして一部の政府による外国投資への需要といった要因によるものです。シオニスト政権にとって、あらゆる農業、軍事、技術関連の契約は経済的利益に加えて、国際機関における非難の波に対抗するために使える政治資本と見なされます。
多くのアフリカ諸国政府は開発のために外国投資を必要としており、イスラエルもこうしたニーズを自らに対する国際的孤立の緩和に利用してきました。そのため、イスラエルの対アフリカ政策は表向きには、農業や水資源への投資、監視機器の販売、治安部隊の訓練、鉱業契約、諜報活動協力といった形で、アフリカ諸国の発展への支援を目的としているようです。しかし現実は、シオニスト政権が密かに政治・安全保障上の目標を追求していることを物語っています。それは、依存関係の構築、正当性の獲得、そしてアフリカの小国を利用しての国際圧力への対抗です。したがって、イスラエルとの関係を維持しているアフリカ諸国でさえ、通常は政治的な関心からではなく、経済的な必要性、そして融資、施設、財政支援、あるいは安全保障や武器支援の期待から関係を維持しているだけに過ぎません。
しかし、アフリカの政治社会と市民社会の大部分は、この政策とアプローチに反対しています。植民地主義とアフリカの天然資源と富の搾取、そして大陸の弱小国を道具として利用してきた記憶は、アフリカ人の大多数の心に今も鮮明に刻まれているのです。
一方、南アフリカにおける反アパルトヘイト運動以来今日に至るまで、反人種差別主義はアフリカの政治的アイデンティティの一部となっています。したがって、国連や人権機関によって一種のアパルトヘイト・人種差別体制と認定されているシオニスト政権は、アフリカでは決して歓迎されないと思われます。
アフリカの多くの政治的潮流は、イスラエルの存在を旧来的な論理、即ち、外国勢力が開発と改善への協力を口実に介入するものの、最終的に達成されるのは自国の利益だけというパターンの延長と見ています。その一方で、イスラエルの安全保障協力や監視技術が開発ではなく、一部のアフリカ諸国における国内統制や政治弾圧の手段と化すこと、そして経済的な依存がアフリカの独立した意思決定を制限することへの深刻な懸念も存在します。その最も顕著な例として、イスラエルがAUアフリカ連合の「オブザーバー加盟」を狙った行動が挙げられます。しかし、この行動はアフリカで抗議と反発の波を引き起こしており、多くのアフリカ諸国政府は、イスラエルをメンバーとして受け入れることが、パレスチナとの連帯というアフリカの歴史的遺産や、度重なる人権侵害の報告を無視することを意味すると捉えてきました。
現実には、アフリカの世論はパレスチナ国民に大きな同情を抱いているため、イスラエルとの関係を受け入れていません。ガザ戦争の際、南アフリカは他国に先駆けて1948年のジュネーブ大量虐殺防止条約への違反を理由にイスラエルをICJ国際司法裁判所に提訴しており、またこの提訴にはアフリカ大陸の他の多くの国も加わりました。
イスラエルがアフリカ諸国との関係拡大を図るもう一つの目的は、世界的な圧力に対する外交上の盾を築くことです。アフリカ諸国が真の独立維持を望むなら、政治的な偽装やいわゆる技術支援プロジェクトの裏にはしばしば政治的・安全保障上の思惑が隠されているという事実を考慮に入れる必要があります。
こうした現状の一方で、今日のアフリカは、最終的に政治的依存や資源の搾取につながる関係ではなく、持続可能な開発と相互尊重を保証するパートナーを必要としています。
最後の点として、植民地主義とアパルトヘイトとの闘争に満ちた歴史を持つアフリカは、今日においてもイスラエルの影響力行使の試みに対して、同じ抵抗の精神を維持する必要があることが指摘できます。パレスチナの領土占領、及びその国民への差別を理由に非難されている政権を受け入れることは、アフリカ諸国の自由と独立の伝統とは相容れないものです。黒い大陸・アフリカが外国の支配との闘いにおける輝かしい過去に忠実であり続けたいなら、合法性獲得を狙うイスラエル試みに抵抗する以外に選択肢はありません。イスラエルの影響力行使への道を遮断することは、アフリカ諸国の独立、尊厳、そして連帯を保証してきた同じ歴史的な道筋の継続なのです。

