日本の国際法学者、米・イスラエルにとって国際法は「馬鹿正直な者が守るもの」
https://parstoday.ir/ja/news/world-i132884-日本の国際法学者_米_イスラエルにとって国際法は_馬鹿正直な者が守るもの
日本の国際法学者でニューヨーク大学アブダビ校客員教授の高橋宗瑠氏がParsTodayの書面インタビューに応じ、米・イスラエルが「国際法を亡きものにしようとしている」と語りました。
(last modified 2026-05-26T07:40:21+00:00 )
May 26, 2026 15:54 Asia/Tokyo
  • 国際法学者の高橋宗瑠氏
    国際法学者の高橋宗瑠氏

日本の国際法学者でニューヨーク大学アブダビ校客員教授の高橋宗瑠氏がParsTodayの書面インタビューに応じ、米・イスラエルが「国際法を亡きものにしようとしている」と語りました。

【ParsToday国際】高橋氏は2月末からの米・イスラエルによるイラン攻撃について、「単なる軍事攻撃ではなく、第二次大戦後の国際秩序を崩壊させ、国連の役割を無力化するものだ」と指摘しました。

インタビューの全文は以下の通りです。

―米・イスラエルによるイラン攻撃は、先制攻撃を禁じた国連憲章を死文化させたのでしょうか?

いま起きていることは、米・イスラエルによる国際秩序の完全な無効化です。両国は弱肉強食が支配する「ジャングルの法則」に戻りたがっているように見えます。その目的は、国際法秩序の無効化と武力行使へのあらゆる制限を取り払うことにあります。米・イスラエルは、自らが望めばどの国に対しても攻撃できる権利があると思い込み、そのためならジェノサイドなどの戦争犯罪を犯すことも厭わないのです。

―3月4日にはインドで開かれた国際観艦式に参加したイラン海軍の「デナー」が米潜水艦による魚雷攻撃を受け、撃沈する事件がありました。国際海洋法は、米国のこうした動きや海洋封鎖を止めることはできないのでしょうか?

国際海洋法では、民間船への攻撃はいかなるものであっても戦争犯罪にあたります。そのことは完全に明白です。しかし、その法を執行するメカニズムが存在しません。米・イスラエルのような軍事大国が他国を攻撃した時、それを止めさせる実効的なメカニズムはないのです。唯一の例外は、国連安保理で常任理事国5カ国の意見が一致した時です。

―今回のイラン戦争では、米・イスラエルによる様々な戦争犯罪が指摘されていますが、国際刑事裁判所(ICC)をはじめ、どの国際機関からもそれを問おうとする動きは見られません。国際機関も大国の論理に突き動かされているのでしょうか?

ここにも二重基準が存在します。イランはICCの加盟国ではありませんが、今回の戦争の正当性についてICCの判断を仰ぐことはできます。しかしながら、仮にICCが米・イスラエルの首脳に逮捕状を発行したとしても、強制力を持ちません。強制力を持つ唯一の機関は国連安保理ですが、安保理の信用は地に落ちています。イスラエルによるガザ攻撃で何もできなかったばかりか、昨年11月にトランプ氏がガザ復興のための「平和評議会」を設立した時は、これを承認する決議を出しました。しかし、明らかな国際法違反である今回の戦争に関しては沈黙し、反対にホルムズ海峡を封鎖したイランを非難しました。これでは安保理、あるいは国連に期待できることはありません。

―今回の戦争でイランは、市民生活に欠かせないインフラにも大きな被害を被りました。現在の国際法の枠組みで、この被害を補償させることはできるのでしょうか?

今回の戦争は米・イスラエルによる侵略戦争であり、その責任は両国にあります。イランには賠償金を請求する権利があります。ガザの事例では、破壊の責任はイスラエルにあるにもかかわらず、復興資金は各国が拠出することが求められています。このような理屈は受け入れられるものではありません。

―戦争の初日には、イラン南部ミーナーブの小学校が米軍に攻撃され、多くの児童が犠牲になりました。国際法では教育施設への攻撃はどのように位置づけられているのでしょうか? また、「誤爆」「付随的被害」といった理屈はいまだに有効なのでしょうか?

教育施設への攻撃は明らかな戦争犯罪です。ミーナーブの学校が軍事利用されていたことを示す証拠は一切存在しません。当の米国ですら、そのような主張はしていません。しかし現実は、米・イスラエルのやりたい放題だということです。彼らにとって国際法とは、馬鹿正直な者だけが守るものなのです。米国は自らの国際法違反を釈明する必要すらないと思っているでしょう。

 


ラジオ日本語のソーシャルメディアもご覧ください。

Twitter