解説;対イランの戦争継続がもたらす結果を秘密裏に警告した米国防総省
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米紙ワシントン・ポストによれば、ペンタゴン・アメリカ国防総省は対イラン戦争継続について警告を発し、「大規模な作戦を継続すれば、世界の他の地域におけるアメリカの軍事能力が弱体化する危険性がある」と強調したことが明らかになりました。
(last modified 2026-08-31T08:16:05+00:00 )
8月 31, 2026 17:13 Asia/Tokyo
  • アメリカ合衆国国防総省全景
    アメリカ合衆国国防総省全景

米紙ワシントン・ポストによれば、ペンタゴン・アメリカ国防総省は対イラン戦争継続について警告を発し、「大規模な作戦を継続すれば、世界の他の地域におけるアメリカの軍事能力が弱体化する危険性がある」と強調したことが明らかになりました。

【ParsToday国際】ワシントン・ポストが国防総省内の機密の査定評価に基づき発表した新たな報告書は、イランとの戦争継続にかかる天文学的な規模のコストについて、厳しい現実を描き出しています。今月14日版の国防長官指示書(Secretary of War Orders Book)に掲載されたこの機密文書によれば、米軍の上級司令官数名がピート・ヘグセス国防長官に対し、対イラン大規模作戦の継続は「持続不可能」であるのみならず、自国の防衛を含む世界の他の地域でのアメリカの脅威対処能力を著しく損なうだろうと警告しています。

機密文書の形で米国の最高国防当局者に直接宛てられたこの警告は、イランへの圧力継続を目論むホワイトハウスの政治的意思と、軍の戦力低下に関する軍司令官の現実的な評価との間に、大きな隔たりがあることを裏付けています。

数ヶ月にも及ぶ西アジアへの絶え間ない部隊配備により、アメリカの戦略予備軍は多方面にわたり枯渇しました。この査定評価によれば、数ヶ月にわたる継続的な作戦により、ミサイル、無人機、防空システムの予備軍が著しく減少した上、同時にヨーロッパとアジアにおける軍事即応態勢もかく乱された形となっています。

西アジアに駐留する一部の部隊は2026年9月まで、また一部は2027年まで駐留を延長する方針ですが、陸軍と空軍の司令官らはこの延長を受諾しつつも、この決定には「注目すべき重大なリスク」が伴うことを強調しています。特に米海軍はより率直に「現在の作戦ペースは持続不可能であり、配備可能な艦艇は全体の約4分の1に過ぎない」と警告しています。これらのデータからは、米国の軍事力の屋台骨かつ米大陸外駐留の要である海上戦力が深刻に疲弊していることが見て取れます。

この危機の規模は西アジアにとどまらず、しかも単なる装備不足を超えたものです。欧州、インド太平洋地域、中南米に駐留する米軍司令官らは「艦船、航空機、人員、その他の軍事資産をイランとの紛争に振り向けたことで、戦闘準備態勢に影響が出ている」と警告しています。もっとはっきり言えば言えば、イランとの戦争は単なる並行戦線ではなく、世界の他の重要な地域で使用されるはずだった資源の「本筋から外れた目的地」なのです。中国に対する抑止戦略において重要な役割を担う、太平洋における米海軍唯一の専用空母を西アジアに再配置したことは、イランとの消耗戦を受けてアメリカの戦略的優先事項が変更を余儀なくされたことを物語っています。

一方で、6ヶ月に及ぶ対イラン戦争、並びに過去における対ウクライナ支援の結果、パトリオットミサイルの備蓄量が急激に減少したことにより、トランプ大統領が戦争を再エスカレートさせるトランプ米大統領の可能性は大きく制限されています。その理由は、イランが効果的な反撃実施能力を証明したことにあります。

おそらく、この機密警告の中で最も重要な点は、上級司令官らが任務延長に公然と反対していることだと考えられます。ワシントン・ポスト紙によれば、アメリカの陸軍、海軍、空軍の司令官らに加え、ヨーロッパ、太平洋、中南米の部隊の最高位に当たる司令官らは、国防長官命令書に「不同意」票を投じてヘグセス国防長官の命令に対する不満を表明しているのです。

この象徴的な表決は、彼らが事実上の命令実行を求められている最中に行われましたが、この前例のない動きは、現場の指揮官らがホワイトハウスの政治戦略とは裏腹に、戦争継続の必要性を感じていないことを示唆しています。指揮官らのブリーフィングに詳しい情報筋によれば、彼らはイランでの作戦が「あまりにも長すぎ、負担が大きすぎる」と述べています。この短い一言は、アメリカの軍事上の懸念すべてを要約しており、すなわち、戦争が能力を超え、その有用時期を超えて長引いているということを意味しています。

この報道に対する国防総省の反応から、両者の意見の相違の深さが改めて浮き彫りになっています。ショーン・パーネル(Sean Parnell)米国防総省主席報道官は、ワシントン・ポスト紙の報道を「フェイクニュース」であり「不正確な情報だらけ」と断じ、「国防総省は同省長官室の命令を含む内部の作戦プロセスについてはコメントしない」と強調しました。この防衛的な反応は、警告の内容に対する対応というよりは、情報源の信用の失墜を狙った工作であり、この問題が極めてデリケートな性質なものであること、および軍部と政治的意思決定層との間の溝を隠蔽しようアメリカ政府の思惑を如実に物語っています。

国防総省の機密の警告は、米国が直面している戦略的ジレンマを明確に示しているように思われます。イランとの戦争を継続すれば他の戦線が疲弊し、中国やロシアといったより深刻な脅威に対する軍事的態勢が弱体化することになります。しかし、作戦を停止または縮小すれば、政治的な観点からはイランに対する撤退と解釈されかねません。この機密文書から明確に分かることは、トランプ氏の政治的野心と米国の実際の軍事力との間に大きな溝が広がっており、この溝が埋められなければ、対イラン戦争の行方のみならず、米国の国際的地位をも深刻な危機に陥れることになる、ということです。最高司令官らは、この厳しい警告をもって自らのレッドラインを引いた形です。米軍はもはや、他のすべての戦線を犠牲にしてまで一つの戦線に資金を投入する余裕はなくなっているのです。

 


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