ロシアによる北朝鮮大使の呼び出し
(last modified Wed, 14 Sep 2016 10:43:38 GMT )
9月 14, 2016 19:43 Asia/Tokyo
  • ロシアのモルグロフ外務次官
    ロシアのモルグロフ外務次官

ロシアが北朝鮮大使を呼び出し、同国の核実験に対する懸念を伝えました。

アスギャリー解説員

ロシアのモルグロフ外務次官は、キム・ヒョンジュン北朝鮮大使に対し、北朝鮮の核実験は国連安保理決議への違反であり、朝鮮半島の緊張を拡大するものだ、と述べました。モルグロフ外務次官はさらに、北朝鮮が朝鮮半島の核問題やその他の問題を解決するための協議に復帰することが、この地域の争いを解決する唯一の策だとしました。

ロシアと北朝鮮の良好な関係にもかかわらず、ロシアが北朝鮮大使を呼び出したことは、ロシア政府が少なくとも公示の政策において、北朝鮮への支持継続は自ら、また国際社会の利益に反すると見なしていることを示しています。ロシア政府は9日金曜、北朝鮮が5度目の核実験を行った数時間後に、この行動を非難しました。北朝鮮の伝統的な支持国である中国も、核実験に関しては非難せず、朝鮮半島での緊張を煽る行動を停止するよう求めました。

北朝鮮の核実験に対するロシアと中国の立場は、両国が北朝鮮の核政策に強い不満を感じており、それを朝鮮半島におけるアメリカの軍事駐留の拡大の下地を整えると考えていることを示しています。北朝鮮はアメリカの挑発的な政策、とくに地域の同盟国との合同軍事演習の実施、さらに韓国に最新鋭の兵器を装備させていることは、北朝鮮が抑止力を増強するために核計画の強化に向かう原因となっていると主張しています。

北朝鮮の核実験の継続により、朝鮮半島の軍事化、アメリカや日本、韓国に対する北朝鮮の脅威を口実にしたこの地域におけるアメリカの駐留が拡大しているという見方も浮上しています。北朝鮮の核実験のわずか数日後に、韓国へのアメリカの原子力空母の派遣が発表されたことはこうした問題を裏付けるものです。

これに加えて、北朝鮮の核実験の継続により、アメリカのミサイルシステムTHAADの韓国配備が正当化されています。このミサイルの配備は、国内や地域の反対に直面していますが、こうした状況下では、中国などの反対も弱まるでしょう。

このためロシアと中国は対北朝鮮安保理決議を支持し、この国への追加制裁に向けた調整を強調すると共に、北朝鮮に対して核実験を停止するよう求めているのです。