慈愛の預言者、ムハンマド(11)
イスラムの預言者ムハンマドが、イスラムの新たな体制を打ち立てるためにメディナで行った10年間の努力は、熟考に値する問題のひとつです。
預言者は長年に渡り、あらゆる機会を大切にし、教えや導きの光を絶やすまいとしていました。イスラムの預言者ムハンマドは、人類のために、様々な特徴を持った健全な体制のモデルを打ち立てました。
預言者が打ち立てた社会において、最初の原動力となったのは、信仰心であり、それは人々の内部から出てきたもので、彼らを正しい方向へと導くものでした。この信仰心は、コーランの節を読み上げることにより、人々の意思を強化し、思想を育成していきました。また、もうひとつの特徴は、公正でした。預言者は、活動の基盤を公正と正義に置き、誰も他人の権利を侵害したりせず、成長のための健全で開けた空間が生まれるようにしました。信仰と正義に続き、敬虔さは、この社会の人々の優位性を決定する唯一の基準となり、知識もまた、発展のための重要な手段として、預言者によって奨励されました。
この他、預言者が打ち立てたイスラム体制における優れた特徴は、人々の心に波打つ同胞愛でした。部族的な衝突や逸脱した思想は、預言者の言動によって消え去り、人々は、同胞の誓いを結び、互いに団結しました。また、弛まぬ努力も、預言者のイスラム社会の特徴です。これらの特徴により、イスラム体制の強固な柱として、信仰を持つ勇敢な人々が次々と預言者に加わっていきました。イスラムの預言者ムハンマドの存在は、メディナの町を芳香で包む春のそよ風のようであり、それはまもなく、メディナの周辺にも広がっていきました。その後、イスラムは、メッカを征服し、イランとローマという当時の2つの大帝国の中にまで浸透しました。こうして、預言者ムハンマドは、歴史の中で、人々の心を魅了するようになったのです。