西側の思想家が考える預言者ムハンマド(33)
西側の多くの学者が、知識や思想を持ち、公平な心を持っているため、イスラムの預言者ムハンマドの清らかな人格を非常に肯定的に捉え、その偉業を讃えています。
フランスの著作家、アルフォンス・ド・ラマルティーヌは次のように語っています。
「人類の知性をはかる3つの軸が、目標の大きさ、手段の少なさ、驚くべき成果の達成であるとするなら、現代の偉人の誰をムハンマドと比較することができるだろうか? 歴史で最も知られる人々は、軍か法律、統治体制を作っただけである。彼らが築いたものは大したことがなかったとは言わないが、彼らは物質的な力を作り出したに過ぎず、それらは大抵、一瞬にして崩れ去るものである。だが預言者ムハンマドは、法律、統治体制、人々や王朝だけでなく、この世界の何十億もの人を変えた。彼は礼拝所、神々、思想や本質を変えた。彼の成功における忍耐、信条を広めるための努力、神秘主義的な礼拝、神との秘密の語らい、これらは皆、強い信仰心を示すものである。ムハンマドは宗教的な指導者、社会の改革者、精神性や道徳の指導者、誠実な友情の具現、善良な仲間、愛情にあふれた夫であり、父であった。この偉人は、これらすべての要素を持ち合わせていた。歴史において、生きていく上でのこれらのすべての要素において、彼に匹敵する、あるいは彼を超える人物は存在しない。このような信じがたい人間としての完成度を持っていた人物は、預言者ムハンマドをおいて他にはいない」
ピエールシモン・ラプラスは、18世紀から19世紀のフランスの著名な天文学者、数学者であり、彼の見解は、天文学に重要な変化を与えました。ラプラスは次のように語っています。
「私は啓示宗教を信じていないが、ムハンマドの教え、宗教は、人類が生きていく上での社会的な模範である。そのため、彼の宗教の出現とその優れた戒律は、大きな価値がある。そのため、人類は預言者ムハンマドの教えを受け入れる必要がある」
これまでの番組の中で、西側の思想家のさまざまな見解をご紹介してきました。その中では、人を導く上での預言者ムハンマドのたぐいまれなる役割や精神の偉大さが提起されていました。イギリスのフリードリヒ・マックス・ミュラーは、次のように語っています。
「キリスト教徒は、ムハンマドを自分たちの教えを認める人物の一人だということをもう少しで理解しようとしている。そのとき彼らは、宗教を名目に、過去何世紀にもわたって行われてきた敵対に恐れを抱くだろう」
最後に、預言者ムハンマドに関するコーランの見解をご紹介しましょう。コーラン第21章、アル・アンビヤー章預言者の第107節には次のようにあります。
エ「我々は汝を世界の人々のための慈悲として遣わした」
慈悲とは、僕たちを善に至らせ、彼らから悪を遠ざけることであり、最終的に彼らを幸福にすることです。言い換えれば、神の慈悲は幅広いものであり、すべてのものや創造物を含みます。つまり、この節で預言者に関して述べられている慈悲とは、神の慈悲と同じように包括的で幅広いものなのです。