パンギムン氏の国連事務総長退任
2016年12月31日をもって、国連事務総長の二度目の任期が満了しました。
アミーンザーデ解説員
パンギムン氏の任期満了により、2017年1月1日からグテーレス氏が第9代国連事務総長に就任しました。
パン前事務総長の10年の任期中に、国連は多くの問題や危機に直面しました。こうした中、パン氏はこのような問題の多くにうまく対処することができませんでした。
ある国際的な専門家はこのように語っています。
「パン氏は、この60年で最も能力のない国連事務総長だった。現在、政治や社会の問題において国連はほとんど影響力がない。誰も事務総長の言葉を真剣に取らず、これは戦争や暴力を阻止するための60年間の国際的な努力の消滅を意味する」
パン氏の業績を検討する上で、彼の前に横たわっていた問題を二つのカテゴリーに分けることができます。
一つ目は、国連内部の問題であり、それは主に予算と国連および安保理の構造改革に関するものです。国連が常に抱える問題は、一部の国による分担金の未払いとなっています。これに加えてアメリカといった国際的な大国の一部が、国連の予算の大部分を負担していることに注目すると、様々な織りに触れて、この機関や関連機関の関係者はその要求の受け入れに関して圧力をかけられています。
こうした中、重要な問題は国連安保理の現在の構造が、政治分野の新たな変化や現実、国際的な経済に合致していないことです。パン氏は、安保理の構造改革の加速化に向けた様々な国の指導者の要請にもかかわらず、これに関する措置をとることができていません。
一方、パン氏が直面していた問題の二つ目は、外部の、国際、地域問題でした。これに関して、とくにシリア、ウクライナ、南スーダン、イエメンの問題を挙げることができます。これらの問題の多くにおいて、パン氏は、単に傍観しているだけで、影響力のある建設的な役割を果たそうとしていませんでした。
パン氏は、国連事務総長の退任式で、国連の多くの計画が失敗し、これらの失敗の中で最悪なのはシリア問題の継続であることを認めました。イエメン戦争などの問題においても国連は、サウジアラビア政府の冷酷な空爆の停止を防げなかったばかりか、サウジアラビアの名前を子供殺しの政権のリストから削除しさえもしました。
これについてフリージャーナリストのマシュー・ラッセルリー氏はこのように語っています。
「この問題に注目するよう主張する国連は、サウジアラビアの名前をこのリストから削除すべきではなかった。パン氏のこの行為は間違いだったと思う。これは国連の遺憾な行為だ。パン氏が任期の最後の年に行ったことは不名誉な行為だった」
この問題は国連が一部の国の圧力を受けて、簡単に立場を変えることを示しています。こうした現状により、国連に地域や世界の問題の解決を期待することはできないのは当然でしょう。