国連事務総長とアメリカの現状の分析
国連のグテーレス新事務総長が、インタビューの中で、国際的に重要な問題に関して見解を表明しました。
グテーレス事務総長が提示した重要な問題の一つは、アメリカの現在の状況です。グテーレス氏は、2017年1月1日から国連の新事務総長に就任しました。グテーレス事務総長は、「アメリカの人々が現状に疲れており、異なったアプローチを求めている」と述べています。
「ヨーロッパの最近の政情は、現在の管理に対する不満の結果である。アメリカが直面しているものもまたこの問題に関連するものだ。人々は現状に疲れており、異なったアプローチを求めている。グローバル化とテクノロジーの発展は世界経済の成長と貧困減少に大きな影響を及ぼしており、これに関して中国といった国々の協力が功を奏している」
グテーレス氏は、アメリカでトランプ氏が大統領に選出された最大の理由の一つを指摘しました。同氏はこれに関して、「欧米の先進国の一部産業地域で、グローバル化によって多くの人が職を失っており、これにより、人々によって現在の政治体制に対する拡大された波が形成されている」
実際、グテーレス事務総長は、トランプ氏が選出されたのは、アメリカの人々、とくに労働者などの低所得層、中産階級の多くがアメリカの現在の経済状況に希望を失っているためだとしています。トランプ氏はこうした現実を理解することで、選挙戦において、そうした状況を利用して各階層の支持を得たのです。
トランプ氏は何度となく、彼の優先事項の一つはアメリカの経済状況の改善、特にこの国の雇用の増加だと強調しました。さらに、他国との貿易協定をめぐって再協議を求めました。トランプ氏は「アメリカを再び繁栄させる」として、社会で不満を抱える多くの人の支持を取り付けました。
アメリカの人々は、トランプ氏が 奇跡のように経済や社会の問題を解決し、アメリカを過去のよき時代に戻してくれるのを期待しています。特にトランプ氏は、「2016年11月の選挙はアメリカを救済する最後の機会だ」と表明しました。
こうした中、IRIB国際放送ミールターヘル解説員は、トランプ氏の政策の実行はアメリカ国内で多くの反対を巻き起こすだろうと予想しています。さらに、政治、社会、経済問題におけるトランプ氏の未経験に注目すると、彼は多くの問題において、試験的な方法を用いることを余儀なくされるでしょう。世論調査会社ギャラップは最近の調査で次のように指摘しています。
「アメリカ人の多くは、トランプ氏が大統領の責務を遂行できるのか疑いを持っている。アメリカ人の54%が国際的な危機の管理におけるトランプ氏の能力を疑問視しており、53%が彼は軍隊を合理的に利用することができない、56%が政府内での大スキャンダルの発生を阻止することができないと見ている」
この世論調査と同社の以前の調査と比較すると、トランプ氏は概して、歴代大統領と比べてほとんど支持を得ていないようです。