アメリカと中国の緊張継続
中国とアメリカが、対北朝鮮決議に関して合意に至りましたが、両国の緊張は今も続いています。
ガッファーリー解説員
報道によりますと、アメリカと中国は、核実験を行った北朝鮮に対する制裁の拡大につながる決議案に関して合意しました。この合意は政界では北朝鮮に対する断固とした国際的な回答と見なされています。
実際、中国が北朝鮮の核活動を支持しているという証拠はありません。中国はこれを証明するために、ここ数日、北朝鮮の口座を凍結しました。こうした中、中国政府は、「もし北朝鮮を武装解除させるなら、この問題に関して双方を同意させるのが良いとしています。なぜなら対立している一方への制裁は、他方の傲慢につながるからです。
専門家は、中国とアメリカの合意は、実行されれば良いものになるとし、その実行の中で両国の協力関係を評価できるとしています。専門家は、この合意が実施される可能性は低いと見ています。なぜならアメリカは中国と協議を行うと同時に、中国の抗議を引き起こし、中国が北朝鮮問題でのアメリカとの協調を避ける原因となる計画を考えているからです。中国はここ数年、自国の利益が満たされる場合にのみ、アメリカと協調しました。
中国は、韓国におけるTHAADミサイルシステムの配備、南シナ海のアメリカの艦船の往来、アメリカの台湾や香港への介入、また新疆ウイグル自治区やチベットでの反中国政府の要員への支持に反対しており、そうした問題に真剣に注目を寄せることで、アメリカとの協調における利害をはかっています。
中国政府は、韓国におけるTHAADの配備とアジアでのアメリカの防衛計画への日本の参加は、自国の治安を脅かすと述べています。中国はもし韓国が自国の治安を懸念するなら、こうした懸念が中国と他国の利益を損なうものであってはらなないことを理解すべきだと考えています。
南シナ海におけるアメリカの艦船の往来の増加も、明らかに中国の反発を引き起こすでしょう。アメリカは地域の公海における航行の自由の問題を提示していますが、これは中国の主張に反するものと解釈できます。アメリカのハリー・ハリス太平洋軍司令官は、議会の公聴会で、南シナ海の作戦に関して、「アメリカはまもなく、戦略的、軍事的方法を増すことで、艦船の往来を増加させるだろう」と述べました。ハリス司令官は、「国際法規が許すところまで、アメリカ軍は行動をとる」と述べました。これに対して、中国はこれまで同様、南シナ海の領有権を強調しています。さんご礁の埋め立て、飛行場の建設、インフラ整備の重視は、こうした中国の主張を示しています。
南シナ海における中国とアメリカの動きから理解できるのは、あらゆる行動に対して、何らかの措置が講じられているということです。韓国のTHAADの配備に対して、中国が西沙諸島にミサイルシステムを配備したことは、こうした方向で分析することができます。
明らかにもし南シナ海での対立が激化すれば、アメリカの艦船は航行の自由を守るために措置を講じるでしょう。
政治評論家によれば、アメリカと中国の対北朝鮮決議をめぐる合意は、両国が協力の道に向かってはいるものの、必ずしも緊張の終結を意味しないということです。