アメリカでの対ISIS連合軍の会合
対ISIS国際連合軍の会合が、アメリカのワシントンで、22日水曜、開幕しました。アメリカのティラーソン国務長官は開幕式の演説で、「アメリカは軍事的な停戦により、一時的な安全地帯を設け、難民が自宅に戻れるようにする」と表明しました。同長官はこれ以上の説明をしていません。この問題について、IRIBミールターヘル解説員は次のように語っています。
この問題に対して、アメリカの国防総省は、シリア、あるいはイラクの安全地帯に関して一切指示は受け取っていないと表明しました。同時にティラーソン国務長官は、「アメリカはISISやアルカイダ系の機関への圧力を増すだろう」と主張しました。同長官の表明は、シリアやイラクの問題に対するアメリカの次の対応を物語っています。
実際、ティラーソン長官は、その演説の中で、これ以前トランプ大統領によって提示されていたアプローチや見解を反復しています。トランプ大統領は、大統領の就任前後に、対ISIS国際連合軍の枠内でのアメリカの軍事行動の中心について、シリアにおけるテログループへの攻撃の拡大、さらにはシリアの難民定住に向けた安全地帯の創設だと表明していました。
トランプ大統領の就任後、アメリカ政府は1月20日、声明を発表し、アメリカの外交政策の新たな枠組みを発表し、その中で、テロ対策、とくにISIS対策を重視しているとしました。
こうした方向で、アメリカは必要な場合には、テログループを殲滅するために、軍事連合の枠内で合同軍事作戦を追求すると強調されています。こうして、シリアにおいてアメリカは、シリアの合法政権の転覆ではなく、ISIS対策に集中すると見られています。最近、アメリカの軍や軍需の多くをシリア北東部のラッカ州に送り込む問題が取り上げられていますが、アメリカ政府はシリア政府の許可なくしてこのような決定を下しています。
重要なのは、アメリカは対ISIS連合を主導しているものの、これに関する誠実さには疑いがあるということです。ISISによるパルミラの再占領は、明らかに、アメリカのゴーサインにより行われたものであり、この問題は、ISISの行動が完全にアメリカと共にあること、アメリカは実際、ISISを管理し、支持していることを示しました。さらに、デリゾールでのISISの最近のシリア軍攻撃の前に、アメリカの戦闘機が故意にシリア軍の拠点を攻撃しました。アメリカのISIS支持の問題は何度となく、ロシアなどの国から提示されています。実際、アメリカはISISの形成と拡大に大きく関わり、いわゆる対ISIS国際連合の結成により、このテログループを殲滅するのではなく、地域での目的を実現するために彼らを利用しています。
ここで次のような疑問がわいてきます。なぜトランプ大統領は、アメリカ自身が生み出したISISへの対策を開始しようとしているのでしょうか。またトランプ氏の目的はISISの殲滅なのでしょうか、それとも地域での自らの目的を達成するためにそれを道具として利用しようとしているのでしょうか?