韓国との対立解消を求める中国
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韓国大統領選挙でムンジェイン氏が勝利し、この国の保守派政権による10年の統治が幕を閉じたことにより、中国政府は、韓国との緊張を緩和し、関係を強化したい考えです。
(last modified 2025-08-16T09:55:59+00:00 )
May 11, 2017 19:58 Asia/Tokyo
  • 韓国との対立解消を求める中国

韓国大統領選挙でムンジェイン氏が勝利し、この国の保守派政権による10年の統治が幕を閉じたことにより、中国政府は、韓国との緊張を緩和し、関係を強化したい考えです。

中国の習近平国家主席は、韓国のムン新大統領に祝辞を送り、中国と韓国の関係は常に重要であり、関係の強化によって、両国の外交的な対立が解消されるよう期待していると語りました。習国家主席は、「両国は25年前から外交関係を有しており、中国は今も韓国との関係拡大を求めている」と述べました。

昨年、韓国とアメリカが、アメリカのミサイル迎撃システムTHAADの韓国配備に関して合意した後、中国と韓国の関係は悪化しました。このミサイルの配備を、自国や地域諸国の利益に反するものと考える中国は、繰り返し、配備の停止を求めてきました。中国とロシアの抗議、韓国の国内の反対にも拘わらず、韓国の前政権は、その配備を見直そうとはしませんでした。韓国の前政権は、THAAD配備への反対を減らすために、世論に対して北朝鮮の攻撃に対する懸念を主張しましたが、それはアメリカの圧力と共に、これまで韓国政府がTHAAD配備計画を変更してこなかった理由となっています。

こうした中、ムン新大統領の誕生により、彼の選挙活動中の公約を考えると、THAAD配備計画が見直される可能性が生まれています。専門家は、韓国の人々がムン氏に票を投じた理由のひとつは、彼の国内外の政策に関する、他の候補とは異なるアプローチのためだと考えています。ムン氏は、THAAD配備計画の見直しと共に、北朝鮮との関係改善に向け、北朝鮮の指導者と対話を行うことを約束しました。ムン氏は、北朝鮮の核活動を停止させるためには、制裁や政治的な圧力だけでなく、6カ国協議による話し合いも再開すべきだと考えています。

ムン新大統領は、最近発表した著書の中で、韓国は、今後、アメリカにノーと言うことを学ぶべきだとしました。このような態度により、中国はムン氏の勝利を歓迎しています。ムン氏の勝利により、中国政府は、韓国がムン政権時代に国内外、特にアメリカとの関係において独自の政策を進め、THAAD配備に関する中国の懸念を払拭することを期待しています。

とはいえ、ムン氏が選挙戦で提起した立場と実際の政策は異なる可能性があります。韓国新大統領が、どの程度、アメリカにノーと言えるかは、時の経過と共に明らかになるでしょう。