韓国の人々のアメリカに対する抗議
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韓国の人々が、首都ソウルをはじめとする各地で大規模なデモを実施し、アメリカのミサイル迎撃システムTHAADの配備の停止と、同国の軍備の朝鮮半島からの撤収を求めました。
(last modified 2025-08-16T09:55:59+00:00 )
May 30, 2017 19:09 Asia/Tokyo
  • 韓国の人々のアメリカに対する抗議

韓国の人々が、首都ソウルをはじめとする各地で大規模なデモを実施し、アメリカのミサイル迎撃システムTHAADの配備の停止と、同国の軍備の朝鮮半島からの撤収を求めました。

韓国の新政権がTHAADの配備にそれほど積極的でないことから、この配備に対する韓国国民の抗議が高まっています。これ以前にも、配備先のソンジュの周辺で、THAADの撤去が求められました。

韓国の人々のTHAAD配備に対する抗議は、幾つかの点から注目に値します。まず、環境問題の点で、周辺地域に多くの被害が及ぶことです。そして第二に、中国とロシアの専門家によれば、このシステムは韓国の安全を保障するには不十分であり、単に資金や安全保障面で多くの負担を強いるだけだということです。そのため、韓国の弁護士は、「THAADは法的に問題がある。なぜなら、韓国の国家安全保障に対する脅威であるからだ」と語りました。また、「弁護士会は、憲法にてらして、提訴のプロセスを開始することを決意した。韓国の憲法では、全ての市民が適した環境の中で健康に暮らす権利が認められているが、THAADはこれに反している」としました。

第三に、THAADの韓国配備は、地域や世界から大規模な反対を招いており、または中国をはじめとする近隣諸国と韓国の関係を悪化させています。中国政府はTHAAD配備に抗議し、韓国に対して観光や経済に関する制裁を行使しており、韓国は大きな損失を蒙っています。

北朝鮮が攻撃した場合の韓国の被害を考え、韓国の人々は、アメリカのTHAAD配備の目的は、北朝鮮を超えたものだと考えています。中国も、この事実を理解した上で、THAADの配備に厳しい態度を取っており、妥協するつもりはないようです。同時に中国は、北朝鮮を脅威だとするアメリカの主張や朝鮮半島周辺地域での軍事力の強化を停止させるため、北朝鮮政府に対し、北朝鮮の核問題に関する6カ国協議に復帰するための条件を整えるよう求めました。中国の専門家は次のように語っています。

「中国当局は、北朝鮮が敵対政策をやめれば、経済支援を行うと説得しようとしている。これは、中国が、北朝鮮の度重なる実験や地域におけるアメリカの軍事駐留の拡大に不満を持っていることを示している」

アジア諸国が輸出を中心西田政策を採っているという経済的な特徴を考えると、アジア諸国は危機が拡大するのを望んでいません。中国も、危機を管理することで、アメリカの地域における中国恐怖症、北朝鮮恐怖症といった政策を退けると共に、東アジアや朝鮮半島の平和と安定を取り戻そうとしています。韓国もまた、中国に対し、北朝鮮の核・ミサイル計画を停止させることで、アメリカの軍事駐留縮小の下地を整えることを期待していいると思われます。

韓国のムンジェイン大統領は、中国との対立の解消や北朝鮮との融和をスローガンに政権につきました。中国と韓国の協力は、緊張や政治的、軍事的な対立ではなく、地域の対話や協力のプロセスを進めるべきだとしたムン大統領のスローガンの実現につながる可能性があるでしょう。そしてそれは、地域からのアメリカの軍の撤収につながるのです。