アメリカとサウジアラビアの考える地域の共通の脅威
(last modified Sun, 24 Jan 2016 11:44:49 GMT )
1月 24, 2016 20:44 Asia/Tokyo
  • アメリカとサウジアラビアの考える地域の共通の脅威

IRIBアミーンザーデ解説員 アメリカのケリー国務長官が、サウジアラビアの首都リヤドで、サルマン国王と会談しました。両者はこの会談で、シリア情勢や地域へのイランへの影響力など、さまざまな問題に関して意見交換を行いました。

ケリー国務長官は、23日土曜、ペルシャ湾岸協力会議・外相会合の後、記者会見で、イランとの核の合意・包括的共同行動計画は、地域を核の脅威から救うものだったと主張しました。ケリー長官はさらに、「現在、我々は、サウジアラビアや他の国々の懸念を調査、解決するために、互いに協力することができる」と述べました。ケリー長官は、イランのミサイル防衛力、人権、テロ支援に関する問題は、イランからの地域における共通の脅威であると主張し、「これらの懸念を払拭すべきだ」と述べました。ケリー長官はさらに、「我々は、現在の関係と一部の国にあるアメリカ軍基地に関して、ペルシャ湾岸協力会議のほぼ全ての加盟国と合意覚書や合意書を有している」とし、「ミサイル防衛システムについては協力を続けており、これまでに多くの歩みが遂げられ、まもなく、設備が引き渡されることになっている」と強調しました。ケリー長官は改めて、「アメリカとペルシャ湾岸協力会議の関係は、双方の利益と防衛問題に基づいたものであり、アメリカは、あらゆる脅威に対抗する上で、彼らの傍らにい続ける」としました。

ケリー長官が、サウジアラビアやその他の国々の包括的共同行動計画後の共通の懸念としてあげたものは、実際、中東地域へのアメリカの干渉を正当化するための世論操作に他なりません。アメリカの言うサウジアラビアへの支持、また、地域の緊張に関する共通の理解とは、地域におけるサウジアラビアの好戦的な政策や犯罪を認めることに相当します。ケリー長官は、リヤドで、アメリカ政府によるサウジアラビアへの完全な支持を表明することで、サウジアラビアのイエメン攻撃の継続を承認しました。しかし国連の関係者も認めているように、イエメンの人々はこの攻撃によって人道的な悲劇に直面しています。アメリカがサウジアラビア連合のイエメン攻撃を支持する中で、この攻撃に使用されている武器は、アメリカやイギリスから供与されているのです。

サウジアラビアは、1年近く前から、日夜、イエメンの都市や非軍事地域を爆撃し、この国のインフラを破壊することで、イエメンの分裂を狙っています。明らかに、800億ドルの武器のサウジアラビアへの売却は、決して少ない数字ではなく、アメリカのサウジアラビアの支援を確信させるものです。

地域の共通の脅威への対抗を中心としたケリー長官の発言は、アメリカが地域で長期的な目的を追求していることを表しています。アメリカは当然、このような目的を推進し、地域への干渉を正当化するために、緊張や危機を作り出すことを必要としています。実際、サウジアラビアが、特にこの数週間、地域の会合やダボス会議で行ってきた反イランの政策は、アメリカとシオニスト政権イスラエルの中東における目的を軸にした動きなのです。