3月 31, 2016 21:37 Asia/Tokyo
  • ギリシャへの難民流入増加

ヨーロッパへの難民流入対策に向けたEUとトルコの合意にもかかわらず、ギリシャに入国する難民の数が増加しています。

ミールターヘル解説員

ギリシャ当局は、29日火曜から30日水曜朝までに766人の難民の入国が確認されたとしました。こうした中、その前の24時間に登録された難民の数は192人でした。バルカン半島の国々の国境封鎖を受け、多くがシリア、イラク、アフガニスタンの出身者である5万1000人以上の難民が現在、ギリシャの北部の国境で足止めされています。

EUは29日、難民流入抑制に向けトルコとの合意を実行する中、難民問題の専門家や通訳、沿岸警備隊などをギリシャに派遣し、難民の集団をトルコに戻そうとしています。

さらにイタリアの沿岸警備隊は、南部の海域で、1500人以上の難民を救出したことを明らかにしました。イタリアの沿岸警備隊は、「リビアの沿岸につながるシチリアの海域で行った11の救出作戦で、1569人の命を救った」としました。イタリアの沿岸警備隊は27日、シチリアの海域で730人の難民を救出しました。同沿岸警備隊は、2015年の作戦の中で、2万3000人を超える難民を南部で救出しています。

イタリアの海域での難民の数の増加は、この国の政府関係者の懸念を引き起こしています。なぜなら、気候条件とバルカンルートの閉鎖に注目すると、イタリアは将来、リビアからの難民流入増加に直面する可能性があるからです。国連難民高等弁務官事務所の統計によれば、2016年が始まってから現在まで、およそ1万7500人の難民がイタリアに入国しました。さらに、国際難民機関の報告によれば、2016年の開始からおよそ15万5000人の難民が地中海からヨーロッパに流入し、このうちおよそ14万4000人がギリシャから入っています。

こうした中、国連難民高等弁務官事務所の報道官は、「シリア難民の定住を目指している」としました。同報道官は29日、「2018年末までに45万人以上の難民を定住させることを考えている」としました。また、「この数字は現在シリアの近隣諸国に居住している難民の数の10分の1だ」としました。この報道官によれば、世界の難民問題は、政治化しており、この危機の管理を困難にしているということです。

さらに、ドイツのアフガニスタン大使は、およそ1500人のアフガン難民を自国に帰還させる用意があることを明らかにしました。またアフガニスタンの政府は、ドイツと、アフガン難民のドイツ退去に関する合意に一切署名していないとしました。アフガニスタン大使はさらに、「ドイツは国際難民機関との協力で、帰国を求めるアフガン難民に現金やそれ以外での支援を行うことを約束している」としました。

この1年、およそ150万人の難民が戦争や貧困を理由に中東や北アフリカからヨーロッパに移住しています。この難民の流入は、ヨーロッパを前例のない危機に直面させています。

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