日韓関係
日本の対韓輸出規制強化巡るWTOのパネル設置 来月決定へ
世界貿易機関(WTO)の紛争処理機関(DSB)は29日月曜、日本の対韓輸出規制強化を巡り、韓国が要請した紛争処理小委員会(パネル)を設置する問題について議論しました。
韓国ヨンハプ通信がジュネーブから伝えたところによりますと、パネルは日本が拒否し、設置されておらず、7月29日に予定されている次回の紛争処理機関の会合で同議題が再上程されれば、パネル設置の是非が決まる見通しです。
WTOの規定によると、提訴された国が拒否する場合、次回の会合で加盟国が全会一致で拒否しない限り、自動的にパネルが設置されることになります。
パネルは3人の委員からなり、委員は提訴国と被提訴国の協議により選任されます。
日本政府は自国企業に賠償を命じた韓国大法院(最高裁)の強制徴用訴訟判決に対する事実上の報復措置として昨年7月、半導体またはディスプレーの製造に必要なフッ化水素、フッ化ポリイミド、レジスト(感光材、フォトレジスト)の3品目をそれまでの一般包括許可の対象から個別許可対象へと変更することで輸出規制を強化しました。
翌8月には輸出管理の優遇対象国「グループA(旧ホワイト国)」から韓国を除外しています。
韓国政府は9月11日、対韓輸出規制強化を不当としてWTOに日本を提訴し、両国は2国間協議を行ったものの平行線に終わっていました。ところが11月22日、韓国は日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了通告の効力を停止させると同時に、WTOへの提訴手続きも停止しました。
その後、韓国は日本が輸出規制の理由に挙げていた制度面の不備をすべて改善した上で、日本に対し輸出規制の解決策に関する立場を先月末までに明らかにするよう求めましたが、前向きな返答は得られませんでした。
韓国政府は今月2日、WTOへの提訴の手続き再開を発表し、18日にWTO事務局と在ジュネーブ国際機関日本政府代表部にパネル設置の要請書を発送していました。
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