米大統領、「ウィスコンシン州での抗議行動は国内テロ」
トランプ米大統領が、同国ウィスコンシン州でのこの数日間の騒乱や抗議行動を、国内テロであるとしました。
ロイター通信によりますと、トランプ米大統領は1日火曜、地元当局者の反対を押し切って、ウィスコンシン州ケノーシャを訪問した際、(民主党支持者らが)同州内での人種差別に対する暴力的な行動を支持しているとして、またもや非難しました。
また、「今秋の大統領選で対立候補のジョー・バイデン候補が当選すれば、全米各地に暴動が広まるだろう」として、民主党の対応を皮肉りました。
同時に、今回の抗議行動で自らの支持者が行った暴力行為を支持すると同時に、人種差別抗議行動の引き金となった、先月23日の警察官による銃撃事件の被害者の黒人男性ジェイコブ・ブレークさんの名には触れませんでした。
トランプ大統領は今回の訪問でブレークさんの家族と面会しませんでしたが、その理由に家族側が弁護士の立ち会いを希望したことを挙げています。
また、米国の構造的な人種差別を問題だと思うか否か、という記者の質疑に対し、「我々は、ポートランドや、ここや他の場所で目にしているような暴力について話さなければならない」「事実として、我々はとてつもない暴力を目撃してきた。機会があれば、それを今すぐにでも消し去るだろう」と答えました。
さらに、警察の暴力は制度の問題ではないと主張し、ケノーシャの住民が望んでいるのは「法と秩序」であり、「警察が警察であること」だと強調しました。
トランプ大統領が今秋の大統領選で激戦州となるウィスコンシンを訪問した背景には、選挙前に民主党が多数派を占める州や自治体を暴力と関連付け、自らを法と秩序を守る候補者として印象付ける、という思惑が存在します。
また、暴動で破壊されたケノーシャの地区を視察し、緊急対策センターやハイスクールを訪問した後、安全対策に関する懇談会で、警察の活動や商店などの被害に言及するとともに、「政府側として、ケノーシャとウィスコンシン州の警察活動や安全対策、小規模事業者支援のために多額を拠出する」と述べました。
一方、ブレークさんの事件について尋ねられると、「正直なところ、これは込み入った問題だ。しかし、こうした経験をしなければならない人のことを、本当に気の毒に思う」と述べるに留めました。
なお、トランプ大統領のケノーシャ訪問が報道されると、同市民の怒りは最高潮に達しました。
ジェイコブ・ブレークさんの家族は、今回の事件でジェイコブ・ブレークさんが自身の子供たちの目の前で警官に背中を7発撃たれ、下半身麻痺の重傷を負ったことを明らかにしました。
CNNが米ワシントンから報じたところによりますと、ケノーシャでは警察官による黒人男性銃撃事件以来、市民による事件への抗議デモや暴動が多発しているということです。
さらに最近数週間において、全米各地では人種差別に反対する抗議行動がさらに活発になっています。
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