視点
国連特別報告者による、ソレイマーニー司令官テロ暗殺における米国の違法行為への非難
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ソレイマーニー司令官テロ暗殺における米国の違法行為
昨年1月3日、米国大統領の命により、違法な犯罪行為である同国無人機による攻撃で、イランイスラム革命防衛隊ゴッツ部隊のソレイマーニー司令官とイラク民兵組織ハシャド・アルシャビのアルムハンディス副司令官、およびその同行者らがバグダッド空港付近でテロ暗殺されました。この事件は、世界中で多くの批判、非難に直面することになりました。
国連のアグネス・カラマード特別報告者は3日日曜、ツイッター上で、米国によるソレイマーニー司令官のテロ暗殺は国際的な人権法規への違反であると述べ、「『イラン』政府の高官であるソレイマーニー司令官の米軍による『テロ』暗殺では、「必要性」と「バランス」という2つの基準が満たされていない。この『テロ』は国際的な人権基準に反するものであった」としました。
カラマード特別報告者は、2つの重要な疑問を提起しました。それは、この行為の必要性とソレイマーニー司令官による脅迫に対する米国の行動の適切性です。と同時に、カラマード特別報告者が、ソレイマーニー司令官と彼の同行者への卑怯なテロの一周忌で再び強調したことは、特に国際的な法規範への明らかな違反を考えると、この問題の重要性を示していると言えます。
この犯罪行為に対するトランプ米大統領の口実は、ソレイマーニー司令官がアメリカとその基地への攻撃を計画する目的でイラク入りしており、米国の空爆も一種の予防措置であるというものでした。しかし一方で、これは、米国高官によってさえ否定されています。実際、米国高官の多くの証言や発言は、米国が数ヶ月前からにこの件に関して決定を下しており、ただ、この殺人計画を実行するための適切な時期を探していただけであったことを示しています。米国のNBCニュースは昨年1月13日、トランプ大統領は、この事件からを7か月遡った2019年6月にソレイマーニー司令官のテロ暗殺を条件付きで命じたと報じました。トランプ大統領の軍事および安全保障顧問の観点からは、イランとイラクの主要な司令官としてISISとの戦いで重要な役割を果たし、同時に西アジアで米国がその目標を達成する上での深刻な障害であったソレイマーニー司令官とアルムハンディス副司令官の両名がイラク・バグダッドに同時に存在することは、逃してはならない好機でした。
この問題は、カラマード氏によっても検討されています。同氏はこれについて、「ソレイマーニー司令官に対するドローン攻撃を正当化する米国の計画の理由付けには....確実に差し迫った脅威があるという証拠が全く欠けていた」と書いています。
トルコの政治専門家であるMehmet Princek氏も、「ソレイマーニー司令官は、米国の地域計画にとって最も重大な障害の1つであった。まさにこのため、米国の最初の目標はソレイマーニー司令官を取り除くことだった」と語っています。
もう一つの問題は、米国が国際法に完全に違反した前代未聞の措置として、宣戦布告なしに、他国軍の高官の一人をテロ作戦の標的としたことです。カラマード氏はこの点について、「1年前、米国によるイラク領土でのソレイマーニー司令官を標的としたテロ暗殺が、初めて世間に知られた。それは、ある政府が自己防衛を訴え、ある政府の人物への攻撃を正当化するという、宣戦布告による紛争の枠を超えたものだった」と書いています。
カラマード氏が、ソレイマーニー司令官と彼の同行者のテロ暗殺における米国の犯罪行為の違法性について明白な判断を下していることから、トランプ大統領と同政権が国際法への主要な違反者であり、米国が力ずくの政策を進めるにあたり、これらの法律や法規を全く無視していることは疑いありません。
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