米裁判所が、ロス一部地域のホームレス全員の居住先確保を市と郡に命令
米連邦裁判所が、ロサンゼルス市のスキッドロー地区周辺で暮らすホームレスの全員に、今年10月18日までに居住空間の供与を命じる判断を下しました。
米CNNによりますと、この決定は、複数の市民、事業経営者や地域社会の指導者による昨年の訴訟を受けた判断で、原告は市内におけるホームレス問題に関する危機的な状況に対する市側の無策を非難し、陸橋下に立ち並ぶテントなどの現状に触れ、問題提起していました。
今回の判決を下した判事は、ホームレスの行き場所をなくした市や郡当局の行政上の怠慢を批判し、さらに市内のホームレスの問題の深刻さを再三認めながらも関係当局は汚職や透明性の欠如を露呈し続けたとも糾弾しました。
また、行政の効率性を前面に出す統計などを打ち出しながらも、解決の説明責任には一切つながらなかったともとがめました。
判決は、同市のガルセッティ市長が次期会計年度で打ち出したホームレス対策を受けた格好ともなりました。
市と郡は、10月18日当日もしくはその前の180日間内にスキッドローの住民全体に対し居住先を与え、付き添いの相手がいない女性や子どもには90日以内の居場所の確保を命じられました。
ロサンゼルス市の担当当局の統計によれば、ホームレスの人数は増加基調にあり、昨年は同市の拡大都市圏内で6万6000人以上が路上生活などを経験し、過去1年内にこの種の苦境に遭遇した郡内の住民の比率は12.7%増となりました。
スキッドローの公共の街路は米国内で最多のホームレスが集まる場所とされています。
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