コロナ変異株・ラムダ株とは?
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コロナ変異株・ラムダ株とは?
現在世界で猛威を振るっている新型コロナウイルスの中でも、最新の変異株とされているラムダ株は、昨年12月に南米ペルーで初めて発見されました。
なお、この変異株は学術界ではC.37系統と命名されています。
新型コロナウイルスの世界的流行開始から2年経つ中、これまでにこのウイルスにはさまざまな変異株が出現してきました。
ラムダ株は、2021年6月15日にWHO世界保健機関によって、世界規模で広まった各種コロナウイルス変異株の1つとして分類されました。WHOは、複数の国で確認されているこの変異株を、従来種より感染力が強く重症化しやすいことが証明されている突然変異を持つものだとしています。
それでは、ラムダ株に感染した場合、どのような兆候や症状が見られるのでしょうか?
現時点では、C.37系統のラムダ株に感染した場合の症状が他の種のコロナウイルス株と異なる、という証拠は全く存在していません。しかし、NHS・イギリス国民医療サービスの報告によりますと、その主な症状としては、肋骨や腰に触れたときに熱く感じるような発熱、24時間以内に咳が1時間以上続く、もしくは24時間を通して持続性のある咳が何回も発生する、味覚や嗅覚の喪失あるいは変化、などとされています。
それでは、このラムダ株に対してはどのようなワクチンが効果があるのでしょうか?
研究者らは、mRNAワクチンがラムダ型に対して効果的である、という結論を得ています。米国で製造されているファイザー社製およびモデルナ社製のワクチンは、いずれもmRNAワクチンです。この種のワクチンには、本来コロナウイルスが人体の細胞に作らせる外来タンパク質の生成を働きかける遺伝物質が含まれており、体に免疫反応を起こさせことができます。
京都大学の研究者らによりますと、ラムダ株というこの変異株が南米チリ全域に拡散していることは懸念材料だとされています。それは、この変異株がワクチン接種による体の免疫系を巧みに逃れることが調査から分かっているためです。チリで使用される最も一般的なワクチンはCoronaVacで、ファイザー、モデルナ、そして英アストラゼネカの各社が製造したワクチンとは免疫獲得の方法が異なっているということです。
研究者らは、「ワクチンの有効性を確認するには、さらなる研究が必要であり、コロナウイルスの流行は、世界の総人口の80%がワクチン接種を受けるまで収束しないだろう」との見解を示しています。
米ニューヨークのグロスマン医科大学の研究陣は、ラムダ株に対するファイザーやモデルナなどのmRNAワクチンの効果をテストしました。この実験から得られた結果によりますと、ウイルスの効果をなくす方法に関して相対的な違いはあるものの、その違いが予防接種を受けた人の対ウイルス防御力の低下に結びつく可能性は低く、予防接種を受けた人は注目に値するだけの免疫がついている、ということです。
では、現時点で実際にはどこの国でラムダ株が蔓延しているのでしょうか?
ペルーで最初に発見されたこの変異株は、今では50カ国以上に広がっており、チリ、アルゼンチン、ブラジル、コロンビア、エクアドル、メキシコで急速に拡散しています。またヨーロッパでも、オランダ、スペイン、フランス、ポルトガルでその感染が報告されています。これまでにコロナ感染による140万人以上の死者を出した南米諸国が、あらゆる種類のコロナウイルスの突然変異株の新たな中心地となるかもしれないことは、特筆すべき点だといえるでしょう。
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