米農業界が密入国者に労働を強制
12月 27, 2021 17:24 Asia/Tokyo
数年にわたる調査研究の結果、アメリカの数十の農業関連会社が国外から労働者を密入国させることで数億ドルの利益を得ていたことがわかりました。
アメリカのバイデン大統領がウイグル系の人々への労働強制などを理由に中国・新疆ウイグル自治区からの製品輸入を禁止する法案にサインした数日後、英ガーディアン紙は、アメリカ農業界が国外からの密入国者に強制労働させているという記事を発表しました。
同紙は記事の中で、「ジョージア、フロリダ、テキサス各州の南部からの大規模な労働者密入国に関する調査研究結果によれば、約24の農業関連会社が今年10月、労働者らを非人道的な状態で米国へ密入国させた罪で訴追された」としました。
アメリカの農業界におけるこれらの出来事は新たな奴隷制とも呼べるものであり、中米諸国から労働者を違法にアメリカ側へ越境させ契約労働者として強制的に働かせる方法は、長年にわたり行われています。
アメリカの農業労働者、中でも移民の労働者は、1935年制定の全国労働関係法や1938年制定の公正労働基準法が適用されないために、わずかな支援も受けられず、大抵の場合、性的虐待、嫌がらせ、賃金搾取のような不当な扱いや、就労時の負傷・死亡を含む危険、化学物質による身体汚染のような安全問題にさらされています。
この調査研究によれば、労働者を密入国させる側は、労働者から入国費、食費、住居費を受け取っており、身分証明書やパスポートなどを取り上げて、低賃金、もしくは無償で働かせ、非人間的労働環境に甘んじることを強要していることが分かっています。
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